DevLOVE2012 Day1 Vol.7:情報化社会で日本が生きていく道 / 吉村 譲氏 #devlove2012 #devlove2012c
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- #devlove2012c 2012/12/15 DevLOVE2012 Day1 18:10〜 情報化社会で日本が生きていく道 - Togetter
- DevLOVE2012 に参加してきた #devlove2012 - Shinya’s Daily Report
2012/12/15(土) 18:10 - 19:00
情報化社会で日本が生きていく道
チームラボが考える、日本が世界と戦っていくポイントと、日本の優位性についてお話します。
- 本日はセッションと言うより、LT(ライトニングトーク)の感じで喋ります。
- 基本的にベラベラ喋ります。
- 情報化社会と言われている中、このままの状態では危ういな、と。
- そんな中、やはり日本好きなんで、日本が発展していく道を探って行きたい。その辺のテーマについてお話して行こうと思います。
- 自己紹介:
本題に入る前に、2個のキーワードを。意味を再確認してみましょう(by Wikipedia) そして本題へ。
- イノベーション
- 情報化社会
日本が生きていく道:イノベーション
書道アート
- チームラボ『生きる』展 | teamLab / チームラボ
- 書道の「生きる」という文字をモチーフに。
- 力感、空間感をアートで表現。また、移ろい行く『四季』も表現している。
早乙女太一
- PORTFOLIO: 早乙女太一オフィシャルサイト: チームラボ
- 影絵を題材にしたアート。
- 舞台を影絵で再構築。
- 最近では、プロジェクションマッピング等も良く聞かれるが、この演出はすごい。早乙女太一さんすごい。
ハンガー
- teamLabHanger | teamLab / チームラボ
- 現在一押しのプロダクト。よければ買って下さい。買ってくれたら焼肉おごりますw
- ハンガーをテクノロジーで再構築。
- 普段はサイネージ、商品を取ると…
- ユーザに付加価値を与え、購買意欲が高まる。
- POSは入っているものの、売れないと話にならない。
- 品物の仕入れについては、店員さんの勘に負う部分も多かったりする。
- (このハンガー、仕組み的に)どの品物が取られて、売れている・売れてないのかがデータが分かるようになっている。
- 例えば、ある品物は前の方に置かれているけども、全然売れてないね、とか。
ちなみにこのハンガー、少し前に『めざましテレビ』でも採り上げられてたりしてました。
- 3つの中でハンガーを最後に持ってきたのは、日本がこの先どうやって生きていくか。にポイントを当ててお話をしたかったからです。
- ハンガーを拡張したのには、意味があります。
- "New Value in Behavior"(※チームラボのデザインする時のコンセプトに関するフレーズ。)
- 情報化社会、テクノロジー、デザイン、アート、文化、そして産業 | teamLab / チームラボ
(※上記サイトより該当部分抜粋。) これは、「New Value in Behavior」、という、チームラボのデザインする時のコンセプトの1つ、 「本来の目的のためにある行為、その行為そのものに、新しい価値を加えよう。本来の行為そのものをインターフェイスにしよう。」 という考えに基づいています。 これは、「スーパーマリオ」で気が付き,茶の湯で確信した考えです。 スーパーマリオは,それ以前のゲームに比べて、目的そのものは比較的どうでもいいもので, マリオを操作する,その行為そのものが、気持ちいいだとか、楽しい。 つまり,なにかの目的のために行為があるのですが,目的をほとんど忘れるくらい、 行為そのものを消費しています。こういった考えは,茶の湯を知ることで確信しました。 たまたま読んだ100年ほど前のお茶の本に,イギリスの茶と中国の茶と日本の茶について、 3章に分かれて、書かれているのを見つけました。 「イギリスと 中国の茶については,どのような淹れ方をすれば、そのような飲み方をすれば、 お茶がおいしくなるかが示されていました。 しかし,日本の茶について本の著者は 『日本の茶は,おいしく飲むためにお茶を淹れるという目的をもはや忘れていて、 「俺の淹れ方のほうがカッコイイ」とか「俺の入れ方は、宇宙につながれる」とか 「より精神世界的に高度」だとか,そういったことを言い,普通に考えれば, すぐ飲んだほうがおいしいはずなのに,その前に茶碗を回したほうが美しいなどとする。 「そこでは本来、目的のためにある行為,その行為そのものを楽しんでいる。日本にはそういう文化があります。
- 吉村さん:(上記サイトではこう書いてますが、この内容に言及した上で)
- 『日本人、馬鹿だな〜と思うよねw』『3回回すとか、完全に無駄。つーか冷める!w』
- マリオ(スーパーマリオブラザーズ)/任天堂について
- 我ら(チームラボ)が愛してやまない存在。勿論(マリオを輩出した)任天堂も然り。
- 吉村さん『だって、ロゴ完全にパクリでしょ?これ(笑)』
同様に宮本茂さんが任天堂でマリオ作るとき、もともとはゲームというのは何かそれぞれに目的があったんですけれど、 宮本さんは「目的がないものを作りたい。触わっているだけで楽しいものを作りたい」と言ったというんですね。 それはある種、日本文化をソフトにしたということではないかと思うんです。
日本が生きていく道:情報化社会
- インターネットでサイトを見ている時に、どこを見ても同じ情報を得られるんであれば、楽しい・気持ちいいという方を見る。
- そして現在は情報化社会。どこでも同じ情報を見られるようになってしまった。
- 客観的な事は、もはや競争性優位にはならない。あっという間に共有出来てしまう。
- つまり、テクノロジーは共有スピードが早く、競争優位性は無い。
- この技術がスゴイ、あの技術がスゴイ…とかは短期的には良いけれども、長期的には何の意味も無い。
- 欧米のECサイトとかは超面白い。(吉村さんが聞いた話)
- 『表向き(お客様に見せる部分)のサイト/業務側のサイトとあった場合、後者の方は徹底的に合理化されていく、コストを無くす方向で行く。
- この辺、最終的にはどこも答が似ていく模様。
- もう、裏っ側の部分については競争を諦め、合理化してしまっている。コストを掛けてない。
- お客さんへのアプローチを行う方に、よりコストを掛けている。
- そして、よりそうなって行く方向は強まっていくだろう。
- すごいしんどい話:
- これまでの話、実はスゴイ怖い、という事でもあります。
- 日本人が仕事をして行くためには、言い換えると『こういう事をしないと仕事が出来なくなる』という事。そう懸念している。
- プログラミング出来ます、だけじゃイカン。少なくとも社会はそういう方向に動いている。
- 技術は出来た上で、そういった事をクリアして行かないと先が無い。
...と言った形で、少々早めに(15分程残した形で)本編となる講演は終了。引き続き質疑応答に進みました。これまでも"吉村さん節"とも言える語り口は健在でしたが、この後も更にエンジンは加速しますw
- [Q].話に挙がっていたハンガー、ちなみにお幾ら位するんでしょうか?
- [A].結構高いんですよね。まだ量産体制には入ってませんので...
- [Q].今の日本は、合理的な方向、定量化していく方向に向かっているような気がする。そんな中、お話されたような強みを持って行くには僕らは何をすべきなのでしょうか。
- [A].訓練です。文化的な要素にアプローチするのであれば、日々の生活の中で思考訓練を行なっていく。考え続ける事が大事です。
- [Q].考えなしの行動を言語化する。職務としてはデザイナ系の話のような気が...ちなみにデザイナと上手くコミュニケーション出来ないエンジニアは居るのでしょうか?
- [A].全然居ますw …でも、次第に気付くんです。
- 人には個性がありますし、色々な人が居ます。
- 最初は出来てなくても、自然と語りだす。『良いものを作りたい』という想いがそうさせていく。
- その為には、組織構造がとても重要。
- 合理化された組織構造だと、狙った効果は生まれにくい。
- 気を使ったのは、『アウトプットを作るための組織作り』。管理するための組織では無い。
- (現在300人程働いているが)その300人の中でヒエラルキーは存在しない。1000人になってもそれが出来ると良いけれど...。
- [A].全然居ますw …でも、次第に気付くんです。
- [Q].組織管理について:基本的に、自立した人が集まっている?というイメージです。ルールが無くても動く、と言うイメージ。組織をどういう風に、上手に回しているのでしょうか?
- [A].情報流通としての上下はありますけれど、また緩やかなヒエラルキーはあるのかもしれないけれど、組織としての上下関係はありません。
- 価値を生むために、あるプロジェクトでリーダーをやっていた人が、別のチームだとテスターをやってたり、という事も。
- [A].情報流通としての上下はありますけれど、また緩やかなヒエラルキーはあるのかもしれないけれど、組織としての上下関係はありません。
- [Q].納期に向けた際の、ギリギリの判断というのは持っているのか?
- [A].会社の中ではありません。基本、皆の総意です。
- この辺り、アジャイルに比較的近いかも知れません。ある程度動くようになってからが勝負。
- [A].会社の中ではありません。基本、皆の総意です。
最後にセッションを結ぶ形で吉村さんからコメント。
- ちなみに、管理とイノベーションって、そんなに相反する物では無いと思う。
- 結局自己管理されていく。上手くやれば共存出来るはず。
- とは言え、コスト概念は難しいところ。
- 日々『僕等はこうしたいもん!』と『でもそれじゃ赤字になるもん!』で葛藤しています(笑)
私自身、年代的にはがっつりファミコン世代でありマリオ世代でもあるので、今回のこのお話はとても面白く聞かせてもらいました。チームラボさんという企業自体、非常に個性的で興味深い点も多いですが、その辺りも含めて非常に新鮮な講演内容だったように思います。ありがとうございました!
懇親会(渾身会)
セッション延長戦的な...
なお、時間的には懇親会もそのままの流れで行われておりましたので、引き続き吉村さんのお話を色々聞かせてもらったりもしておりました。懇親会本編ではLTや各種催し物があったようですが、私と幾人かの団体さんに関しては、吉村さんの繰り広げるトークに爆笑し、感心し、楽しませてもらっておりました。だって、まさか『マリオ』『日本庭園』『エッフェル塔』『ラオウ/大豪院邪鬼』で話が繋がると思わないですよ...(笑)
(※当エントリを書くにあたって色々調べていたら、前述の企業内ページの中に、紐付くと思われるものがありました。是非見つけてご一読ください。)
機会があればこの辺りのお話を含め、他にも色々聞いてみたいものです。:-)
懇親会本編について
上述の通り割と長い時間トークに聞き入っていたため、肝心の懇親会本編に関する進行内容・メモは全くありませんでした!w (誰か懇親会イベント内容
的に御存知、把握されている方がいらっしゃいましたらレポートして頂ければ幸いです。)