スクラム道バーストに参加してきた
今年3月に開催予定であった当イベント。開催直前に発生した東日本大震災の影響により開催が中止扱いとなっていましたが、この日ようやく開催の運びとなりました。
開催場所は品川シーサイド・青物横丁をそれぞれ最寄り駅とする『バンダイナムコ未来研究所』。
でっデカイ!Σ( ̄Д ̄;)遠目からでもかなりの存在感です。そして目の前に来ると更にその造形・巨大さは存在感を増してきます。
大きさもさることながら館内の綺麗さ、奇抜さにも驚かされました。入り口も何かダンジョンに入り込むような構造だったし(^^ )川が流れていたり、ロボットがあったりと飽きさせない作りになっていました。さすが。
会場到着は結構時間ギリギリでした。
18:30 - 18:45 テーマ決め、選手入場
室内は数百人収容可能な大ホール。広々とした作り・しっかりした作りの椅子等非常に居心地の良い空間。
イベント開始。司会進行はNishimura Naoto(TwitterID:@nawoto)さん。会場及び自己紹介、スクラム道に関する簡単な説明など。
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18:45 - 19:15 読み手の発表
再演候補はこちらの4人/4セッション。
- 吉羽龍太郎/Ryutaro YOSHIBA (@ryuzee)さん:「スプリントバーンダウン」スプリントバーンダウン虎の巻(スクラム道.02より)
- 永瀬美穂/Miho Nagase (@miholovesq)さん:「スプリント計画ミーティング」(スクラム道.03より)
- 高橋一貴/Kaz Takahashi (@kappa4)さん:「スクラムマスター」(スクラム道.06より)
- 西村直人/Nishimura Naoto (@nawoto)さん:「ふりかえり」KPT is harmful (スクラム道.01より)
4人による各セッションの概要説明・アピールタイムの後、会場の観客挙手による投票制で読み手を選出。
幾度かの決戦投票のを経て、今回の『読み手』は@miholovesqさんに決定!
当日のスライド資料は後日UPされるとの事ですが、内容的には概ね以下のスクラム道.02の時のものとほぼ同じ。若干の手直しが入ったものでした。
- スプリント計画ミーティング
- View more presentations from Miho Nagase
途中機器トラブル等もありましたが、無事に実演終了。なお、この時のセッション内容については上記または後日UPされるスライド資料を熟読される事が理解する上で望ましいと思いますので、割愛致します。
ちなみにこのセッションで個人的にツボというか笑わせて頂いたのは2つめのスライドテーマ『こんなスプリント計画ミーティングは嫌だ』。
御存知の方はすぐピンと来ると思いますが、オリジナルはあの伝説的お笑い番組『元気が出るTV』の1コーナー、『こんな○○はイヤだ』。こんなノリでした(笑)スライド資料の該当部分もこの雰囲気を想定して閲覧すると更に味わい深くなると思われます♪(^o^*) しかし今見ても色褪せないな〜。(該当部分は5:37〜)
19:15 - 19:50 ディスカッション ラウンド1
ここからのセッションは、今回のイベントに『選手』として参加登録された方々がステージ上に上がり、テーマについて議論を交わすという形のものを計2回、1時間ちょい行うというもの。
職場でスクラムを実践されている方々が大半なだけあって、議論の内容も現場に則した、よりリアルなものばかり。その中の幾つかをメモ。
- [Q].喧嘩腰の時はどうやって割って入ったか?
- [A].割って入る事はしない。/ コマンドコントロール型の性質が抜けない組織が陥りやすい。
- [Q].『お葬式』パターン(リーダーが全部やる、というパターンの逆)の場合はどう対応する?
- [A].『ゴールをはっきりさせましょう』と言う。
- チームにとっては、ゴールが曖昧だとやりようがない。
- [A].『ゴールをはっきりさせましょう』と言う。
- [Q].プロダクトオーナー(以下PO)…のゴール
- ゴールの定義って何?
- プロダクトのゴールが曖昧だと、1個目(最初に決める)ゴールも曖昧なものに
- 具体的に何が欲しいか分からない…というのは結構良くある話。
- →『プロジェクトが終わったら、どういう状態になっていて欲しいの?』と提案・イメージ
- (書類を手書きせずに済み、事務員の帰る時間が早くなる、等)
- ゴールの定義って何?
- [Q].そもそも、POの役割って明確になっている?
- 実体験、経験からのお話
- チームの規模が大きく、計画を立てない方が早い場合もある。というチームもある。
- 計画を立てる事に苦労している(短い期間の場合)
- 無理にスクラムをさせて、上手く行ったケースはあるのか?
- 計画・タスク分割について
- [Q].タスク細分化の過程で、話が大きくなってしまう傾向はあるか?
- 夢も希望も膨らんでしまう
- 分割の度に…
- 一応聞いてみる『そこまで要りますか?』
- 見落としていた作業が、細分化の過程で出てくるという事は有り得る
- チームとしてのストーリーの価値を高めた結果、大きくなる
- 楽しく開発するためにコミットメント
- 『この機能・工数で行けるんじゃね?』→『もしかしたら入れられる?』というライン
- 良いものを作ろう、という傾向がある
- 楽しく開発するためにコミットメント
- タスクの最小単位・最大単位
- (最小):30分〜2時間の範囲内の回答が大半。
- 15分というのも
- 作業内容的には設定ファイルの変更とか/誰々からのメールを受信する、等というのがあったり
- 2時間:全体の3割程度いた。30分・1時間が大半
- (最大):『1日』という回答が多い
- 最大1日以上、というのも数人
- スプリントの長さにも左右される14日間スプリントで2日間、という回答もあり
- タスク分割の粒度については、何度も実践、後は経験。
- 細かすぎると逆に管理コストの方が大きくなる
- デイリースクラムで、一言で言えるサイズなら良し。
- 『細かすぎるとめんどくさいです』という声を聞くことも
- 完了(Done)の定義をキチンと決めておくことが重要
- (最小):30分〜2時間の範囲内の回答が大半。
19:55 - 20:30 ディスカッション ラウンド2
少々の休憩を入れた後、若干の選手メンバー変更を行い、ラウンド2スタート。
- Doneの定義について…いつ定義を決めるのか?スプリント0?
- 拡張・縮小…毒を飲む場合もある
- これをやらないとストーリー・タスクが出来ないぞ〜
- 全て諦める・ここまでやる…というのはやる
- Doneの定義を変えたい?
- 拡張は有り得そう
- 縮小はあまり良くない事なのでは?
- →変えない:そもそも見積もりに対して影響を与えてしまう
- →縮小は『予定通り終わった』と錯覚してしまう、問題として挙げておくべき
- →拡張、縮小をやっている
- 製造のみ→テストの拡張はOK
- 時間の延長的な拡張はNG
- 拡張・縮小…毒を飲む場合もある
-
- 見返すのは次の計画までの間
- 拡張する分には構わない(チームが出来るなら)
- 縮小はまずい?
- 見返すのは次の計画までの間
-
- 『どーせ繰り返すんだから、どーでも良いでしょ?』
- 『大体それで終わっちゃうよね』
- 『どーせ繰り返すんだから、どーでも良いでしょ?』
-
- ストーリーを終了指せずに終わらなかった場合の罪悪感
- 『また終わらなかった』の繰り返し…
- All or Nothingではなく、分割してdone/not doneを判断
- ストーリーを終了指せずに終わらなかった場合の罪悪感
-
- doneの定義はどうでもいい
- 拡大縮小…価値の差が変わる
- 手前に宿料する価値
- 次のスプリントで優先する価値
- 拡大縮小…価値の差が変わる
- doneの定義はどうでもいい
- [Q].プロダクトオーナーが居ない場合はどうすれば?
- 社内システム内製開発・・POが居ない。
- チーム、SMが代替して行っている。
- そもそも計画ミーティング出来ない!
- 存在しない、はありえない。
- 誰からかのオーダーがあって行っている
- 『勝手にやっといて』
- 身内がプロダクトオーナー
- 発生させる『俺がなる』
- そういう社内システム、良くあるよね。
- そんな社内システム、どんな扱い受けてますか?
- 分野毎にPOを分担している
- チームの中で社長と一番話が出来る人をPOに
- チームとPO、兼ねてもいいよ
- スクラムやっているけどPO兼任、やっぱり多い
- チーム間でレベルの差異が大きい場合:スキルに差がある
- ペア組ませれば良いんじゃないか?
- 新人の場合、見積もりに入れない(新人専用の見積もり)
- HTMLを書かす
- 大きくぶれた場合に指摘する
- チームが仲良くなれてるかが問題
- 技術的な差は見積もり時の議論で埋まる
- スキルの差を問題視していない
- 見積もり最小限評価の根拠を聞いて、見積最大限の人と組ませ、技術を語り合わせよう
- 差がある所について問題
20:30 - 20:45 クロージング
2つ合わせて1時間超のディスカッションもあっという間に時間に。
『スクラム道』としてのイベントでここまでの(100人超の)参加規模というのは初めてであり、スクラムマスター/スタッフの皆さんもそれぞれに得るもの・課題はあったようです。参加者として参戦した私としても、現場の生の声を存分に聞くことが出来たので非常に参考になりました。定量的に『○○すれば△△』という基準が明確でない事が多いので、実践・経験による判断基準を養っていくことの重要さを認識しました。
また、上記写真に取り入れるのは漏れましたが、@nawotoさんの『ブログに書くまでがスクラム道です』というプロダクトオーナー直々のコメント&スライドも。ちょいと普段より遅めになりましたが今回もエントリしましたであります! ∠( ̄ー ̄)
スタッフロール、スタッフ及び参加者への感謝の意を拍手で表し、イベント終了!皆様お疲れ様でした。
(補足)今回は大会場・大観衆の前でのイベントということでスクラムマスター/スタッフの皆様、方々で奮闘しておられましたが、個人的には時間進捗を見計らってタイムスケジュールカンペを手に会場内を奔走されていたあまめちかっぽ(大和)(TwitterID:@amameci)さんのお姿が印象的でした。その奮闘振りを1枚。(写真中央)
今回の『スクラム道バースト』参戦で、自分の中で5月から続いていた『スクラム/アジャイル』な世界への遭遇・体験の(大きな)波はひとまず一区切りな感じ。(書籍『The Agile Samurai』発売、第2回Scrum Boot Campの開催等諸々あるにはありますが)
この1〜2ヶ月で得た知識・経験・衝撃を絶やさない為にも、継続してスクラム/アジャイルな取り組みは続けて行きたいところ。
- まず現場への取り込み。
- 大々的に取り込むのはさすがに難しそう?
- それならば少しずつ、出来るところから進めて行くか。そんなに切羽詰まっている・タスク量が多い場でも無いので、
- 座学で得られる知識の取得。
- 実践系スキルの向上。
うん、考えを巡らすと色々出て来ますな。色々と進めて/拡げて/高めて行こう。
今年は勉強会参加するようになって内容の濃い体験が出来てきているが、先月〜今月辺りの時期は特に質量共にデカかった。色々な形で繋がるようになった皆様方、本当にありがとうございます。
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