横浜道場 番外編「自分の価値観を見える化してみよう」に参加してきた #agilesamurai #横浜道場


(写真:序盤に『このワークショップは"R指定(R-Rated)"です』と警告する原田騎郎さん。その訳は終了後に参加者一同実感したのでありました...)


道場主のキャラクターと共に毎度お馴染みになりつつある『アジャイルサムライ読書会 横浜道場』。今回その括り?のイベントの1つとして、『自分の価値観を見える化してみよう』というワークショップの告知がありました。


自分の価値観を見える化してみよう』?

タイトルを見ただけでは、今イチどんな内容のものをやるのかが見えて来ません。

参加者募集告知ページを見ると、

国際的アジャイルコーチの原田 騎郎氏にお越し頂き
ワークショップを行なって頂きます。
注:スクラム道ワークショップ大戦第三弾で実施したワークショップになります。

とある。

しかし、参照先の『スクラム道ワークショップ大戦第三弾』ページにも、ワークショップの中身的な記載は無し...。


何だろう、一体どんな内容何だろう…? 事前情報からは内容を推し量るネタに乏しかったのですが、これは是非飛び込んでみて体験してみなければ、と思い参加して来ました。

開催会場は株式会社アットウェア。この日は開催時間ちょうどギリギリ辺りに到着。参加者人数も割りと多目、30人近くは集まっていたと思います。

自分の価値を見える化してみるワークショップ

  • 自己紹介
    • アジャイルコーチです。スライド作るのは苦手なので、@Ryuzee氏に作ってもらってますw
    • 自分の価値を見える化してみよう
      • 自分自身の価値って、誰に/どのように見えているんだろう?
      • 自分の価値について、ひと目で分かるというわけにもいきません。
  • 今回のワークショップは、『R指定(R-Rated.)』です。
This workshop may contain materials not suitable for minors.
Participants discretion is advised.
(このワークショップでは、未成年者には適していない材料を含むことができる。
参加者の裁量をお勧めします。)


と、のっけから普段行うようなワークショップとはちと趣の異なりそうな?雰囲気で始まりました。

今回のワークショップについては、ネタバレ的な部分を含む可能性もあり、事前に読んでしまうとワークショップ本編を実践した際の新鮮さ・面白さが削がれてしまうかも知れません。お読みになられる場合はその辺りを考慮しつつお願い致します。m(_ _)m

  • ワークショップ(1回目)
    • グループで行ったワークショップは『グループでディスカッション(15分)を行い、結果をプレゼン(1〜2分)してください。テーマはペアプロについて、最終的に"だからペアプロをやるべきだ/やるべきではない"で締め括る形でお願いします』というもの。Doneの定義は"プレゼンを行う事"。
  • ワークショップ(2回目)
    • 休憩の後行われた2回目のワークショップは、1回目とメンバー構成を変えて(同じ色同士のメンバーが集まったグループ→各色が均等になるようなグループ)行われました。


...と、これだけだととてもシンプルな構成ですが、実際の中身は非常にダイナミックで、且つ終了後には新しい発見や理解がふんだんに感じられるとても有意義なものとなりました。


アンケートによる診断

まずは参加者一同に配られたアンケート用紙、中身を見ると何らかの診断?を行うような内容のようです。自分の思う/あてはまるであろう要素に"1"、そうでは無いものに"4"を付け、各々の要素に対して順位(1〜4)を付けていきます。

幾つかの要素に対して自らの採点を行い、最終的にそれら採点の計算を行なって一番点数が多くなった『色』同士のメンバーでまずがグルーピングを行い、席替え開始。

各色それなりに人数が均等になり、原田さんも『(全ての色が程良く分かれて)ほっとしましたw』(※ある程度色が分かれてないと、存在していないと成り立たないワークショップのようです。)


1回目のワークショップ

    • 前述したテーマに基づきディスカッションを行い、その後各班発表。
    • 発表後、各参加者に『あのグループの発表、どう思った?(発表者個人に対して、と言うよりもグループに対して)』と反発をけしかけるよう煽る原田さん。応える回答者。割とぶっちゃけな回答に湧く会場w
    • 原田さん『アジャイルサムライにおけるチームでも、これくらいの違いは出てくるはず。』『プレゼンの内容にもよると思いますが、(原田さんが煽った対立軸同士の意見に)双方カチンと来たと思います。』


...とここで、円形の図が出て来ます。

実は今回のワークショップ、ベースとなっているのは競合価値観フレームワーク(Competing Values Framework)と呼ばれるものなのだそうです。


フレームワークの詳しい解説は関連するページに任せますが、このフレームワークで説明されている要素・診断結果をベースに原田さんが解説を加えて行きます。

  • 競合価値観フレームワーク(Competing Values Framework)で分類した各々は、以下のように特徴付ける事が出来る。
    • ◆Green◆(緑):Innovate(創造・改善)
      • 新しいことを果敢に試しに行く、変化を包容するなら新しいことを試せ。ここが居ないと新しい事にチャレンジ出来ない。
    • ◆Blue◆(青):Invest(投資・市場)
      • ま〜せっかち。でも新しい事やる。作る。どうやったら勝てるか、価値を早く回せるかを考えている。このグループが居ない企業は潰れている。
    • ◆Red◆(赤):Improve(改善・管理)
      • 官僚文化、改善文化。失敗を無しにより良くして行きたい。リリース直前にと言われるとカチンと来る。最終的に徹夜で頑張ってくれるのはここ。
    • ◆Yellow(黄):Incubate(育成・関係)
      • 育てる(逆に赤は育てるのが嫌い)。どうやって一緒にやるかを考える。
  • 特徴的に、緑←→赤、青←→黄は対立関係にある。
  • 皆、綺麗に4分割出来る訳では無い。


2回目のワークショップ

1回目に引き続き、2回目も同じお題でディスカッション&発表。

但し、今度は『タイプ(色)が各々均等に混ざるように』且つ『自分の色の特徴を出さず、相対する色の特徴になり切って』やるように、との原田さんの指示が。

  • 緑の人は赤の振りして。赤の人は緑の振りして。
  • 青&黄も同様。

これはやってみると分かるのですが、なかなか思うように行かない部分が多かったです。意識しても、なかなか対極の"色"がディスカッションで出せないもんです...w


それぞれの色について、それぞれの特徴があり、
また相対する色にはそれぞれなくては成らない要素が存在する。

この状態を示すフレーズとして、原田さんは『ハンロンの剃刀』というものを挙げました。

Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity.
無能で十分説明されることに悪意を見出すな
  • 無い(相手が持っていない)という事を悪とみなすべきではない。
  • 想像が付かないだけ、相手に悪意は無い。単に相手はそれを苦手なだけ。
  • でもいきなりそういう苦手な事を言われる、指摘されるとむかつくだけだ。
  • 対極に居る人は、あなたが苦手な事をやってくれる、とても貴重な人です。

原田さんはそれらのメッセージを参加者に投げ掛けました。


最後には診断結果に纏わるもので『オチ』を付け、ワークショップは終了。
原田さん曰く『このワークショップを会社でやってみたいと思われるかも知れませんが、やってみて面白いかどうか、上手く行くかどうかは"R-Rated(R指定)"なので各自自己責任で』とのこと。


まぁ確かにワークショップ全体を通して腑に落ちる・納得行くところに落ち着いた節は参加者一同あったと思いますし、縦横無尽にファシリテーションに奔走されていた原田さんの"ファシリ力(りょく)"が無ければこのワークショップは難しいと思います。


今回のワークショップに関しては描写をボカした部分もあったり、どう書いて良いもんか悩んだ部分もありましたが、興味のある方がいらっしゃいましたら、是非『やってみれば良い・体験してみれば良いんじゃないかな』とお伝えしたいと思います。必要と有らば原田騎郎さんにオファーしてワークショップ実演をして頂くのがより確実な手段かも知れません。


本編終了後の懇親会でもワークショップに関するトピックで色々お話を伺う事が出来ました。『アジャイルコーチには、今回の色で言えばこの色になる人が多い』等など。この辺りもやはり、実際にワークショップを体験し、その中で原田さんや同じく参加された皆さんと語り合う事が一番効果的なのではないでしょうか。

あ、あと今回はタイトルに【番外編】という文字がついており、【通常編】【特別編】との違いは何だろう?と思って色々想像していたのですが、その辺りの意図を横浜道場道場主に聞いてみたところ『え〜〜〜(´・ε・`)』と言うような理由だった事を一応言及しておこうと思いますw


会場御提供頂いた株式会社アットウェア様、当日参加され一緒にワークショップを楽しまれた皆様、そして非常にエキサイティングなワークショップを体験する機会・時間を創りあげて頂いた原田騎郎さん、ありがとうございました!


(※懇親会の際、発表告知はされていなかったものの映し出されていた"今後の開催予定"。な、謎過ぎる...w)