第3回スクラムプロダクトオーナー勉強会に参加してきた #postudy


(写真:洗い出したストーリーに対して『プランニングポーカー』を実施している時の一幕。)

本勉強会では、
  「現場でスクラムを実践するためにはどうすればよいか」
という命題に対して、スクラムで定義されている
3つの役割(チーム、スクラムマスター、プロダクトオーナー)のうち、特に
  ・プロダクトオーナー
にフォーカスを当てて、CSPO研修で扱われた内容や
スクラムギャザリング東京2011で扱う予定の内容を軸に、
過去の導入事例やワークショップなどを通じて参加者同士で議論を行い、
情報交換をすることで互いに有益な場を作っていきたいと考えています。

前回第2回に続き、第3回目のスクラムプロダクトオーナー勉強会。

ここ最近勉強会の世界に引き摺り込み始めた自社の同僚もこの勉強会に興味を持っていたので、仕事上がりで一緒に参戦してきました。(フロア(現場)は違うが建物は一緒)

今回初参加の人は5〜6人は居たでしょうか。これまでの2回参加したメンツの中に程良く紛れるように調整しつつ本日の勉強会開始。

第2回の復習(プロダクトバックログ〜ユーザーストーリー)

今回初参加メンバーを対象とした前回分の振り返り。内容に関しては前回エントリ等を御覧下さい。

第2回各チーム振り返り結果ご紹介

第2回終了時にチームで行った『ふりかえり』の資料をまとめたものが配布され、各自で再度読み返し。

ワークショップ #4 各チームごとに改めて自己紹介

名前の通り自己紹介。今回同じ卓だった4人のうち2人がチームとしては初の作業でしたが4人が4人、何らかの関係で知っていたり…という感じの間柄だったのでその辺は和やかに進行。

ワークショップ #5 第2回各チーム振り返り結果ご紹介

これも今回初参加メンバーに対しての情報連携、及びプロダクトオーナー(以下『PO』)視点で『新しく入ってきたメンバーに以下に理解させ、情報共有をスムーズに行うか』と言った面も意識しつつのお時間でした。

ユーザーストーリーマッピング ワークショップ #6

『利害関係者に最初にデモするとしたら、どのストーリーを実現するか?』というテーマでチームで話し合い(15分)、その後に発表を行うというもの。発表形態的には、画面のモック等があると過程した状態で『チームとしては最初にリリースする範囲は○○機能です』『こうこうこういう感じで/流れでプレゼンします』といった内容を参加者の前で発表するというのをイメージして頂ければ。

デモのシナリオを文字/イラストベースで書き上げて、発表出来る状態に持って行く…というのがミッションでしたが、うちのチームは全員エンジンが掛かるのが少し遅く、初回機能のリリース範囲に関するイメージのみ共有した段階でタイムアップ。発表者の方に若干の肉付けをして頂いて事無きを得た、という感じでした…。^^;

この『デモを行う』という点はPOらしい視点ですし、

  • デモ/プレゼンを行うに当たってどの様な情報を用意しておくべきか
  • シナリオの流れ/画面デモの流れ

と言った点を意識しなくてはならない、さぁどうするか?といった問い掛けというか気付きを得られたワークショップでした。これはそういう状況を想定してみないことには現状が見えない。やってみて良かったワークショップでしたね。この辺から『如何に上手くプレゼンするか』とか『デモ/プレゼン実施時のノウハウ共有』等のテーマにも派生していけるのかも。

スプリントとリリース 解説

Yasunobu Kawaguchi(TwitterID:@kawaguti)さんのスプリントとリリースに関する資料の一部を用いながら『スプリントとリリース』に関する簡単な解説。

内容としては、以下の@kawagutiさんのスライド15〜22ページを中心としたスクラムの解説を凝縮したような感じでしょうか。

  • スプリント完了後に機能が出来ている状態
    • そのままリリースするって事はあんまない
    • 内容を見極めて『幾つかのスプリントが終わるまで完了分を溜めておいて、まとめてドン』という意志決定をする場合もある
  • リリース時期を決める判断

プランニングポーカーと見積もり 解説

ざっくりプランニングポーカーに関する解説から開始。

  • 使うカードを決める
  • デモした範囲で見積もる
  • ストーリーの分割
  • 機能の分割
  • チームの中で意見をまとめる
  • 分解したストーリーの束をPBL、SBLに集約
  • ベロシティに収まる範囲で。

『相対的な規模の見積もり』に関しては @kawagutiさんが @ryuzeeさんのスライドにおける『ビルの画像』を用いて説明して頂けました。


  • 相対だと割と簡単に見積もれますよね。
  • ビルが何メートルかどうかは関係ない。
    • ※指定の言語でどれくらい掛かるのかってのは始めの時点では分かんない。
    • ※進めて行くにつれて合意が取れてくる。
    • 人月、人日でやり始めると面倒な話に。

ユーザーストーリーマッピング ワークショップ #7

実際の見積もりを『プランニングポーカー』の手法で実施。

5分という短い時間でしたので、見積もり対象に挙げた幾つかのストーリー(4〜5個だったかな)の中で基準となるストーリーに基準ポイントを割り振り『この機能がXXポイントだったらこあの機能は何ポイントか』という方法で見積もりを行いました。とはいっても出来たのは計3つ。ここはもうちょっと時間を割いて実践してみたかったなぁ。

ユーザーストーリーマッピング 振り返り&ディスカッション

チームでこれまでの作業を振り返り、KPT形式で付箋をまとめ。

チーム4人で出した内容は半分近く『ワークショップの時間が短い』事に起因する要素だったような気がします。(^.^;) 単純に時間が足りなかったとか、深掘り・議論をもう少し行いたかったとか、時間があれば○○をやってみたかったとか。この辺に関しては懇親会の項で後述。

懇親会

今回の懇親会は浜松町の駅近くで実施。座席決めを『プランニングポーカーのカードを引いて決められた席に座る』という方法で決めていたのですが、これはこれで面白い趣向だなぁと思いました。得てして懇親会等では知り合い同士で固まり勝ちになる傾向があるとは思うので、この方法で座る席に迷うことなく、且つ適度にシャッフルされるので一定数以上参加される懇親会等で試して見るのも良いかも知れないですね。(言うまでも無くこれはトランプ等でも代用は可能)

懇親会では初っ端からfullvirtue(TwitterID:@fullvirtue)さんを中心としてプロダクトオーナー勉強会の内容や、今後の勉強会としての展開等について熱い議論が交わされ、その過程で色々為になる話も聞けたり。


  • やはりワークショップ1つ1つの時間が短いのは意見として多く出ていた。
    • 1つのワークショップをもう少し長く時間が取れるような対応をしてみても良いのでは。
    • 1テーマ2時間でも充分行けそう?←1周目は続きもの・シリーズで通して、2周目から深掘りしてみるとか。
  • シリーズ・続き物として行っていく上で、途中参加しても参加者に負担のない方法を採っている部分もある(前回の振り返り等がそう)
  • ハッシュタグを有効に使いたい。(ハッシュタグ:#postudy)
    • Twitter / Search - #postudy
    • 勉強会実施時は、実演・ワークショップが多い内容のためどうしてもつぶやきの総数は少なくなってしまう。
    • 開催前、開催後に有効活用する方向は?
      • プロダクトオーナーに関する質疑・議論など
      • 勉強会自体の内容・展開に関するご意見など
  • 非POの立場(で今回のPO勉強会に参加している人)からすると、『POの立場から/視点では』どう考えているか、といった意見を聞いてみたい部分は有る。
  • 一方でPOの立場からすると、『同じような立場の人(PO)と意見を共有したい』という思いもある。
  • 勉強会実施時のグループ分けについては、グループに最低1人、PO実践者が居ると場が回りやすいのでは?
    • 開始時にシャッフル・レベルを聞いておいて効果的なグループ分けをしてみるのも良いかも。
  • グループにPO経験者・有資格者が2人程度居ると、PO/非POの立場両方の人がそれなりに満足出来そうな空間を醸成出来そうな気がする
  • 『プロダクトオーナー勉強会』に如何ほどのニーズがあるのか把握してみたい(現状その辺の感覚は未だ未確定)
    • 『プロダクトオーナーBootCamp』を実施してみるのもありかも?


また、上記議論に併せて来週2011/10/19(水)、2011/10/22(土)に行われる『Scrum Gathering Tokyo』についてもトークの話題は及びました。

主催者の@fullvirtueさん、また今回も参加して頂けた@kawagutiさんは共に上記イベントの開催/運営スタッフをされており、そちらの視点からの興味深い話も幾つか聞くことが出来ました。いよいよ来週です!! 待ち遠しいですね。

次回第4回開催予定は第4回:2011/10/28(金)18:45〜20:30となっています。

回を重ねる毎にふりかえりを行い、反映し、参加人数も増えつつある当イベント。プロダクトオーナー業務に就いている方、興味のある方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。