Developers Summit 2013 参加レポート #devsumi 【14-D-3】「SIの未来ってどうなのよ?」SIer大淘汰時代にAWS専業で新しいSIの形にチャレンジする企業の舞台裏


開催からだいぶ時間が経ってしまってますが、こちらのセッションに関しては参加したものの公募レポートにも寄稿しておらず、メモのまま眠らせておくのは勿体無いのでUPしちゃいます。ちなみにこちらのセッションは本日行われているデブサミ2013アワード&リバイバルで『ベストバリュー賞』を受賞した非常に内容の濃い、聴き応えのあるセッションでした。

セッション資料はこちら。

そして以下参加メモ。



  • 考えただけで憂鬱なタイトルにお集まりいただき有り難うございます。
  • AWS...これに専業、特化するという形、新しいSIへのトランスフォームをやっている最中、うまくいっているところです。

    • 2007年にAWSを触って衝撃を受けました。『これからはクラウドだ!』と。名前が大石なので(ry
    • もし今日のセッションで何もえるものがなければ、切腹します!w
    • 過去のアクションをお伝えすることで、答ではなく材料をご提供したいと思います。
  • 会社の紹介:
    • 大学向けの合否照会サービスをやっています。
    • 今は携帯で合否を確認している私学受験者、全体60%近く。
    • しかし、合格発表シーズン、特定の日の午前にのみ、サーバが200台必要となる。
      • コストは無駄な部分が出来てしまう。ソリューションを探していたら2007年AWSを見つける。テスト運用を開始。
      • 社内サーバー購入禁止令を2008年に発令。そして事業として継続できるのかを試した。
      • リーマン・ショック、大震災を経て、(これらの事業は)成功だったのではないかと思っている。
    • 2011:AWS Solution partner、
    • 2012 : advanced consulting partnerに。
    • 日経コンピュータクラウドランキングにサーバーワークス社がノミネート。

Action! by AWS

  • 実際AWSを用いることによって変化が生まれ、価値を提供出来た。其の中でも一番印象に残っているもの
    • 日本赤十字社…震災後、日本赤十字社が繋がらないといった悲鳴に似たつぶやき
      • サイトダウンの理由...被災者、被主催者がこぞってサイトにアクセス。
        • AWSを用いてボランティア
        • 震災前は普通のサーバ→EC2に移行し、30分でデリバリー。それを受けて、義援金受付システムを作ってくれと以来を受ける。
        • 義援金データをRDSで管理
        • 環境構築2時間、アプリ開発48時間でリリース可。
        • 事実、震災後の迅速な義援金の募集に一役買ったのはAWS+ serverworksだった!

本日のメインテーマ:SIerって死ぬの?

    • 世間の論調:必要悪。終わった。保険でしか無い…
    • 実際データを見ても、企業倒産件数増加(年間221件)、過去最悪!
    • 2008年頃の私達も『SI\(^o^)/』な感じに。
<AWSでSIオワタの図>
AWSでハードが要らなくなる
↓
ソフトもAWSを使えば流通が要らなくなる
↓
ユーザー企業が自分でシステム構築できてしまう。
↓
SIオワタ\(^o^)/
    • 仮説からActionを、仮説を立てよう。ユーザー企業がAWSを使いやすくするための仮説を。

Cloudworksのコンセプト:日本語でAWSを使える

    • ユーザー数は伸びた。しかしビジネスで行くと有料ユーザは増えなかった。
    • 有料:バックアップ、サーバータイマー機能など
    • 2009〜2010年は大赤字。有料ユーザーは全く増えず。
    • 大失敗の理由:
      • 1.タイミング
        • エンジニアが評価
      • 2.仮説そのものが間違っている。
        • SIの悪口が言われているのを見て、コントロールを取り戻したいという意図と勘違いした。
    • そこに震災。
      • 震災が私達に教えてくれたこと:将来は予測できない
      • リーマン・ショック、震災、原発。AKBからあっちゃんに続いて板野まで引退?
    • ウォーレン・エドワード・バフェット(アメリカの投資家・経営者)の言葉
      • 大切な事は予測の精度を高めるのではなく、予測不能な事態が起きても最善手を打つ、『適応マネジメント』が重要。
      • 未来の予測は、我々が思っている以上に当たらない。
    • 得た学び:
      • 顧客が望んでいるものはセルフサービスでは無く、新しい技術を安全に利用するための保険
      • 日赤事例が示すように、突発的な事態への迅速な対応の方が大切だった。
    • Pivot and Action!
      • Cloudworksは無料で続けAWSへの導入支援で有料化
      • SI売上8倍に。
      • やり方を変え、迅速にPivot出来たのが要因。

材料編〜クラウドをやってわかったこと

皆さんのこれからのアクション、プランに材料になると思います。

1.調達モデル
  • SIerは要らなくなるんじゃないか?→否!絶対必要だ!なぜならお客さんが求めている。
    • 言っている人は面白い程、中の人。
    • 顧客はSIerを必要としている。ただし、求められるものは変わる。
      • 喉が渇いた!↓調達チーム、品質チーム、人を準備する、ドキュメントで繋ぐ…
      • 成果物としてバケツとか紙が出てくる。…この図は仕方無い部分もある。ドキュメントで繋がざるを得ない。
  • ピラミッド型は人が多い事が前提で、コミュニケーションが重要なスキルだった。   
    • 下請け企業の役割は技術では無く、人材バッファだった。
  • クラウド型調達では非常に小さなチームで構成、優秀なエンジニアだけ欲しい。
    • 作らない技術=使う技術 が重要に。
      • 組み合わせる分子式の知識
      • こういった知識は既に出回っている。これらを用いてお客様に価値を提供できるかどうか。
  • SIerの変化
    • 分業モデル崩壊による下請けニーズの縮小
    • コミュニケーション<技術の構図が鮮明に
    • 人材バッファとしての役割は終了。
    • 技術回帰の時代がやってくる?
    • 非常に大きなプライムコントラクタは残るが...
2.日本のクラウドAWSの違い
  • 戦艦ヤマト/ゼロ戦
    • わくわくするこの2つ、共通点は何か?=一点豪華主義。甲板をやすりで磨くなんて事をしていたらしい。ヤマト=徹底的にでかくしよう、等。
    • 良い感じするが、結果敗戦を招いた。こだわりすぎて大量生産出来なかった。
    • 当時1000機のゼロ戦を必要としたが300機しか用意出来なかったらしい。
      • こだわりすぎたエピソード(予備タンク等)
      • 単体の性能が良くても戦争には勝てない。
      • 航空機が戦力として機能するには、大量生産+運用システムが必要。
    • レーダーの例
      • 日本は昭和17年の時点で実用化されていた。しかし、実地で戦闘員が外していた。
      • レーダーがあっても通信網と接続されていなかったので意味をなさず
      • 一方アメリカでは開発者を同乗させ、改善させていた。
    • 日本で自社のシステムを全部クラウドに載せた、という話を聞いたか?アメリカでは4兆円のeコマースサイトをAWSに乗せ、サービスを枯れさせていた。
  • 利用者へのインパクト:
    • 比較広告("安い!単純比較")、AWSは30近くあるサービスの組み合わせで戦っているので話にならない。
    • AWSは本当、ポチポチ操作で出来る。AWS以外だと何かと設定作業が必要。
  • AWSではEc2以外のサービスがシステマチックに連携しているんで、インフラに掛かる時間とコストがやすい
  • 伝えたいこと:
    • 1点にこだわる姿勢は日本人特有。非常に大きなパワーを発揮。
    • それがクラウドのようにシステム思考が必要なサービス開発には仇となる。 
    • クラウドの構築=車輪の再発明。それは得意な人に任せて、使う技術の洗練に注力しよう!
3.AWS導入に必要なもの
  • お客さんにクラウドを導入してもらうために必要なものはなんだと思う?
    • 予算。これが無いとどんなに理解があっても入らない。
  • 1).社内編
    • 利益が減るんじゃないか?→こういう質問に堪えないといけない。
    • 確かに案件単価は激減する。でも利益は上がるのです。
    • クラウドが後は、予算は減っても利益は増加出来るのでは、というモデルを理解させないといけない。
    • クラウドで未来が作れるということを理解させる。

  

  • 2).顧客編
    • クラウドの懸念を払拭しなくちゃ。
    • セキュリティに関する疑念に対する回答例:
    • クラウドってセキュリティが不安… → 物理サーバ時の脅威に比べてAWSクラウド特有の不安
    • 外部はユーザーさんが守ってください。内部はAWSがしっかり守ります。第三者認証をそのために幾つも取得している。
      • 特許技術でXenを拡張
      • AWS社員も顧客のデータにアクセス出来ない。
  • 皆様にご質問:
    • 1.会社経営のために必須の資源はなんですか?
    • 2.それはどこにありますか?
      • 予算が無くちゃ動かないですよね?銀行に置いてますよね?
      • 何で大事なお金を銀行に預けているのか、セキュリティの面でですよね。(社内より銀行が安全)→可用性・利便性。

   


  • 聞かれるポイントはほぼ決まっている。
    • セキュリティ
    • 従量制
    • 国産との比較
  • 大切な事
    • 聞かれるポイントを事前に想定しておく事。
    • チームが小さいくなり、1人でカバーする範囲が増え、伝える能力がより大切に。
  • 私たちのアクション!
    • 毎週金曜夕方に2名のエンジニアが社内で技術のLTをさせる。USTに配信も。
      • Yammerでリアルタイムにフィードバック
      • プレゼンやるというのはよく聞くが、フィードバックを受けている人はあんまりいない。
  • クラウドをやってわかったこと
    • 1.調達モデルの変化 小さいチーム、作らない技術の追求
    • 2.日本のクラウドAWSの違い システム思考 vs itteん豪華主義
    • 3.AWS導入に必要なもの 予算→社内・社外に未来を示すこと。伝える能力。
  • 本日のまとめ
    • 1.保険?いいじゃないか。顧客はSIを求めている。自信を持って突き進もう。日本は90%が保険に入る民族です。
    • 2.会社も個人も適応力が大切。未来の予測よりも、技術も考え方も、適応力をつけていこう。
    • 3.クラウド分子式・説明炉y区を身に付けて、クラウド時代の先頭に立とう。

 

  • 切腹してほしいという人が居たら申し出てください、という方、いらっしゃいましたら…w
  • Action!
    • 変化しない周りを嘆くのではなく、自分で変化を起こす方法を学ぼう!
    • 周りの1人に、あなたが進めたい技術の話をしてみてください。
    • 変化を楽しんで、SIは楽しい!未来がある!というメッセージを一緒に発信しよう。SIはダメだ、というのは自らに呪いを掛けているだけでしかない。

 

  • It's your turn!
    • ぜひ、今日これからアクションを起こして変えていってください。