DevLOVE2012 Day2 Vol.3:もうDevをLoveしていないんですか?〜ProfessionalとCommunityを超えて〜 / 高橋 征義氏 #devlove2012 #devlove2012a


2012/12/16(日) 14:00 - 14:50
もうDevをLoveしていないんですか?〜ProfessionalとCommunityを超えて〜

DevをLoveし続けるために、Devの帽子を捨てることもあります。 

10年以上Webアプリのプログラマとして働いてきた自分が、
畑違いの法人を立ち上げに至る自分戦略を現在進行形でお話しします。
  • 今日の気分はとても本気、とても真面目に話そうと思います。
  • 市谷さんにわざわざ出向いてもらって登壇を依頼された。
  • その意気込みを全力で買いたい。
前フリ(人生の問題)
  • 皆さんに質問。『世界を変えたい』と思っている人は居ますか?(半分位の人が挙手。何人かにインタビューを行う)
    • 激しい意気込みだと思いますが、とても残念なお知らせ。世界は殆ど変わらりません(笑)
      • 安定性:変化に対して打ち消す力。
      • 変化を起こしたい、変えたいという人が多数居る場合、簡単に変わると不安定になる→迷走。
      • 企業の場合、超不安定経営に。長続きしそうにない。
      • 『ほとんど』変わらない→変わることもある。その辺の可能性にかける?
    • もう一つの問題…なぜ、世界を変えようとするのか?
  • 世界を変えるには、それなりのリソースが必要
    • 例えばお金や時間。
    • 或いは『他人』というリソース。他人の人生を振りまわす事に。
    • 翻って、自分というリソース:どういう人生を過ごすのかどう生きてどう死ぬのか。
    • 私達が本当の意味で考えるべき問題
      • 残されている時間はあんまり多くはない。
      • 数少ない問題の一つが『どう生きて、どう死ぬのか』。
      • 普段は気にしなくても人は生きていける。しかし時折『人生の選択』を考える場面がやってくる。
        • 進学
        • 就職転職
        • 会社の設立
        • 結婚
      • こういった分岐点で、『そもそもどう生きたいのか』が問われる。
  • DevLOVE:考えてみると、すごい言葉。
    • DevをLOVEする
    • 仕事としてのDev。Devに人生のそれなりの部分を費やし、主体的に関わる。
    • DevをLOVEしてどうするのか
    • Dev自体は価値中立な行為。対して、Loveはとても個人的なもの。
    • DevをLOVEして人生をどう作りこんでいくのか。
    • 私の人生もDevに多大な影響を被っている。
  • という訳で、そろそろ(やっと)本題です。
私の自分戦略
  • 自己紹介
  • 自分戦略
    • そこそこ売れている技術書(入門書)を書いているプログラマ
    • ある種、変わった目立ち方をしている。
    • 退職して会社を作った。会社にいる人の中ではあまりdevじゃない日々...
    • Devじゃない業務のほうが多い
    • 『高橋さんはもうDevをLoVeしてないんじゃないですか?』面と言われて心に響いた。
  • 何でDevから降りようと思ったか
    • 2010年3月退職、6月創業。
    • 遡って、悩んでいた時期もあった。
      • 40歳目前 2008-2009年web2.0バブル末期の頃。ソーシャルアプリ流行の直前。
      • 当時のWebアプリ開発、右肩下がりの開発単価
      • Webにとっては悪いことではない。低コスト制作によりWebがより豊かに。
      • でも開発者にとっては…開発者として企業に雇ってもらう必要がある
      • 開発者の需要、これからもあり続けるか?
      • 転職は大前提(終身雇用はありえない)
      • 景気の波、年齢の問題(40歳以上の転職はだんだん厳しくなりそう...)
      • 30代のうちに会社を作ってみるのも良いかも。自分で自分を雇う、すばらしい!(でも収入があるかどうかは別)
      • やり直しが可能なうちに、会社を作るという選択肢
      • 小さいことの強みを活かしたい
        • 受託開発ではあまりない
        • すごい開発力、経営力、ビジネスモデル…全然ない
        • 前職は短期的には良い会社だった
        • もう1個それ以上によく出来てる会社を作れる気がしなかった
        • サービスで1個当てる、それって博打過ぎる...
    • 2009/09/16
      • rake:money/エンジニアがお金を設けるための考える勉強会が切っ掛け。
      • Pragamic book shelfの日本語版みたいなものがあるといいよね。
        • 真面目に(技術的に実現出来るかを)検討
        • 技術的には可能...やってみる?ただ、問題はそこに人生を費やすかどうかだ
        • (高橋さん自身)それなりに本読みでした。
      • 電子書籍ならやり続けられるかも?→退職。
      • (写真:達人出版会発足の際に走り書きしていたメモ。)
    • 2010年10月販売開始
      • ぎりぎり黒字位?初年度は真っ赤っ赤。
Community vs Company
  • いちおうコミュニティの中の人です。
  • 会社との違いは何か?(ヒント:法人)
  • 法人とは
    • 民法で規定されている
    • 人間みたいな人の集まり
    • 自然人・法人として区別
    • 人の集まりの分類

 

  • ポイント:営利
    • コミュニティは非営利なはず。儲からない
    • 営利法人・会社…設ける。
    • 素晴らしいコミュニティに入っても、問題は解決しない。
    • 作っても解決しない。会社を何とかしないとダメ。
    • コミュニティで会社を何とか出来るのか?
      • 個人なら変えられるかも
      • でも最終的には会社を変えないとダメ
      • 変えられなければ移るとか作るとか
  • まとめ
    • 会社が重要。
Professional vs Amateur
  • Devlove Advent Calendar...熱い言葉のオンパレード。読んでいて元気が出る。
  • でも、気になった。
    • 良い仕事をする
      • →良い物が出来る
      • →良い評価が出来る
    • これって、実は因果関係が無いのでは?
    • 人為的に成立するように振る舞う。
      • 因果のように、矢印で繋がるのを目指す。
      • そのために必要なこと
        • 営業、総務、経営、財務とかも‥
        • 本当に必要?普段は見えないかも
  • 抽象化レイヤ
  • 対価に値するものを産み出す
  • 対価がメンバーに還元される
  • それが営利企業
  • 実現させるには試してみるしか無い。専門領域以外にも、違う専門領域を試してみる。
  • 開発自体も同じではない
    • 経理…Devじゃない仕事とかも
    • 会社経営・事業計画…ぜんぜんDevじゃない
    • 当然のように上手くいかない
    • 提供出来るもの
      • 売り物ってレベルじゃない。
      • 素人に毛の生えたレベル
      • それでもやる。他に人が居ないならやるしかない。
      • 自分の満足<顧客の満足
        • 少なくとも顧客の方に軸足を置く
        • 自己満足としてのProfessionalが一番良くない
      • Devとしての自信
        • それなりのものは作れるかも
        • でも、ついつい手を動かすことで満足したくなる
        • 求められているのはそこじゃない。
        • ある種のスペシャリストを目指すなら話は違うが、自分はそうではない。
        • なら、professionalから降りるか…
        • 素人なのに対価をもらう?何にお金を払うのか。技術だけではない。
        • 開発抽象化レイヤ・見えない部分を含めての対価を提供。
        • さらなる優れた抽象化の仕組みを再現可能にする
まとめ
  • Devという力
  • 全力でDevするには強力なDev以外が必要。
  • 最強の抽象化レイヤを作る側に立つ。抽象化レイヤの上で全力でDevする。
  • どこに立つのを望むのか。
  • コミュニティの素晴らしさと限界...コミュニティは戦場ではない。戦場は会社にある。
  • 世界を変えたいなら、会社を主戦場にする
  • それを支える部分をコミュニティで。
  • 世界を変えたい?本当に?
  • 答えは人それぞれ。
  • よい人生を。


あの『高橋メソッド』の産みの親である高橋さんの講演は初聴講。『高橋メソッド』を存分に堪能しつつ、仕事を・開発をLOVE出来ているか、またはProfessionalに纏わる部分、リソースの問題...自らに置き換えてみると色々考えさせられる事が多く見つかったセッションでもありました。