「ビジネスモデルジェネレーション」で何かやる #4『マチコ先生の白熱風教室(仮)』に参加してきた( & XP祭り2012のセッション告知 )

今年2月に日本語版が発売され、瞬く間にブームとなった書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション』。この書籍に関するワーキンググループも発売に合わせて発足し、過去3回に渡ってイベントが開催されておりました。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

今回はとある理由というか経緯でこちらの勉強会におじゃまする事になり、第4回が開催されたこの日参加して来ました。

開催会場はクラスメソッド株式会社秋葉原。先日飯田橋から秋葉原に会社移転されました。駅から非常に近く、アクセスも便利です。近くにあるランドマーク的な場所で言うと、書泉ブックタワーが最も近い場所になるでしょうか。


参加予定者がほぼ揃っったところで、前半セッションの『素振り』開始。

BMGキャンバス素振り

こちらのセッションは、『「ビジネスモデルジェネレーション」で何かやる』グループのテーマとして毎回行われているものになります。本来であれば異なるテーマで数本素振りを行なっているようなのですが、今回第4回は後続に行われるセッションの為、30分1本勝負のみ。

『BMGキャンバス素振り』の内容解説及び進行風景に関しては、Youichi Takigawa (TwitterID:@takigawa401)さんの第2回レポートにて詳細かつ克明に記されております。

扱ったテーマは『プロ野球チームのビジネス』。『”素振り”で”プロ野球”というのも・・・』とのタケハラさんのコメントがキラリと。

私自身はキャンバス自体始めてだったので脇で見学的立場で観てたのですが、皆さん活発に意見を出されており、そこへ適宜挟まれるタケハラさんの言葉によりあれよあれよと言う間にキャンバスが出来あがって行きました。


マチコ先生の白熱風教室

次のセッションは『マチコ先生の白熱風教室』。さて、これは一体何でしょう?


…そうです、あの某番組をパクったからインスパイアされた、参加者全員でディスカッションを行うセッションなのです。

このシリーズでは、ご存知サンデル教授が最も有名ですね。



実はこのセッション、『マチコ先生』こと川添 真智子さんを筆頭に集結したメンバーによるとあるグループで行われる、
XP祭り2012』の"コンテンツ祭り"内セッション、
マチコ先生の白熱風教室 in Waseda.univ 〜45分で分かるBABOK:序章〜【ディスカッション】

の、素振り的セッションなのでした〜。(※はい、宣伝です…)


上記セッション概要文を御覧頂けるとお分かりのように、マチコ先生を筆頭に、素晴らしいメンバーの方々が勢揃いです。

そしてなぜか、そこに私も入っております。

そしてなぜか、今回の『白熱風教室』のディスカッション風景を【ライブでまとめる】という役を仰せ付かることになりました!(笑)



どうやってまとめたかは…まぁ以下のテキストを御覧ください。


マチコ先生の白熱風教室(素振り) at クラスメソッド株式会社』、スタートです。



(※文中先頭の名前はほぼ敬称略)

がおりゅう:
BA、またはBABOKという言葉を聞いた事がある人、手を挙げてください。
割と今日お集まりの方々は、IT業界の人が多いですね。
今日はそこに『ビジネスの考え方を入れて行く』べきではないのか、という視点でディスカッションを行いたいと思います。
マチコ先生:
皆さんにBABOKについてもっと知ってもらいたい。
アジャイルとの親和性も高いBA/BABOKについて、XP祭りで45分のセッションを行います。
がおりゅう:
今日はそれに先立って皆さんで一緒にコンテンツをリハーサルしてみよう!というわけです。
今回の皆さんの発言、随時記録されて行きます!
(↑上記発言も記録されている。その記録されている様を見て一同笑)
なお、記録されて困る部分、負の部分(笑)等があれば事後に確認をお願いします。
※注:このテキストはディスカッション終了後、内容の『検閲』を各参加者の皆様に行って頂き、
  文体を若干調整したものを公開しています。
がおりゅう:
今回テーマは2つ。そのテーマに皆さんから意見を頂きマチコ先生も交えてディスカッションして頂き、
『白熱教室』テイストで場を作り上げて行ければと思います。よろしくお願いします。

では、最初のテーマ。
1.『家電』に関して〜高級扇風機は売れるのか〜
タケハラ:
最初のテーマはこちら…『家電』に関する問いです。

ダイソンから『羽の無い扇風機』が出ました。現在日本のメーカーもそれに追随しています。
それまでの扇風機が比較的安めだったのに対し、(ダイソンの扇風機の)値段は2万円から。
今、どうやら『高級扇風機』というセグメントが好調らしいです。
タケハラ:
そこで、皆さんに『高級扇風機は売れる』と思うか?を聞きたいと思います。
『儲かる』と思う方は青のカード、
『儲からない』と思う方は黄色のカードを挙げてください。
(※一同回答。青が圧倒的に多かった)
がおりゅう:
儲かる・儲からないの状況判断は各自にお任せします。
大事なのは今、どういう状況で選んでいるか?という点です。
皆さんのご意見を聞いていきましょう。
タケハラ:
なぜ、儲からないと?
せき:
儲かるための仕組みが必要だと思っている。世界規模で売れる販売を、最初に作らないといけない。
また、ブームには飽きが来るので、どうやって次の一手を仕込むか、そこまでやる体力等があるのかどうか?
あるのであれば、行けると思うが…
がおりゅう:
体力、とは?
せき:
資金とモチベーション、という方が近い。
中込:
私は、単純にそんなに高い扇風機は要らないなと。薄利多売の方が回るんじゃないか。これが日本に合ってるかな〜と。
買う人は限られるんじゃなかろうか。
以前上海に旅行に行った際、レストランでようやく初めて(扇風機を)見た。その際メーカーがどこかをチェックするのを忘れてしまったが…
がおりゅう:
そもそも、そんなに見ないんですね。
タケハラ:
限られた人…?
中込:
セレブ、ですかね。
山口:
現在、炊飯器も高級化してきている。
炊飯器と扇風機を比較しても、扇風機がこの後展開して行くのは機能的にも難しいのではないか。
限界なのではないか。だから儲からないと思う。
がおりゅう:
機能追加に耐えられない、という事ですね。価値の限界。
中込:
私、実は炊飯器は高いのを欲しいと思っています。美味しい飯を食いたい。
田子:
ちなみにご家族は?
中込:
妻と2人です。美味しさにこだわりがあります。一方、扇風機はそんなにこだわりは無いかも。
がおりゅう:
その他に青(=売れる)の人!
ひろやん:
良いですよね、この扇風機。デザインもスマートだし。この値段なら荒利が出せる。
ただ、日本のシーンで行けるかどうか…。むしろ海外なら。
白物黒物の日本に比べて、まぁまぁ良い商いが出来るのでは。
ケント:
高級炊飯器は「価格が高い=より美味しい」であるが、
高級扇風機は「価格が高い=より風がでる」という訳ではない。
そこ以外に価値を見出しているので売れている。
『風が出る』以外のところに価値を見出したのが魅力。形、デザイン等も。
かねこ:
オシャレな空間に合う、というところを攻めていけば売れるのでは。
あかさか:
涼しいのとは違うところに価値をおく。例えばブランドやステータスなど。
今よりもっと高い値段で売ることも可能ではないかと思う。
あらかわ:
逆に安いと売れない。5000円で売ってたら買わないんじゃないか。
いずもり:
連想したのはソーシャルゲーム。こんなもん飽きるだろう、と思ってた。
変化している価値を追っている証拠。もっとコアなところを、突き詰めていける余地はある。
せき:
価値でもうひとつ。『怪我をしない価値』というものがあるのではないか。保育園等では、幼稚園児も(この扇風機であれば)怪我の危険性が低くなる。
いわお:
そこには同意。赤ちゃんなどで非常に気を使う。
あまり機能は無い、というが、そこに私はこだわっている。
がおりゅう:
となるとせきさん、ご意見は『青』なのでは?(笑)
滝川:
ダイソンの方は狭いところでも置ける。。そこに魅力を感じる。
マチコ先生:
儲かる→売れる、にテーマを変えたらどうなるかな?
がおりゅう:
数が売れる、というテーマで進めましょう。
マチコ先生:
今売れる要素、というので話が挙がっていたので。
がおりゅう:
シェアを取れるかどうか。
『青=売れる』『黄色=売れない』でお願いします。
(回答:黄色が多い。)
マチコ先生:
さっき青で今黄色で挙げた人、なぜ変えたのですか?
滝川:
扇風機には色々な形態がある。売れる定義を業界の席巻率、と考えるとちょっと微妙かな。
種類が沢山あるからこそ、そこのシェアを奪うのは大変。
森:
部品個別で見ると、最近のものはDCモーターを使っていたりする。
マチコ先生:
ちなみに今は扇風機、持っていますか?
滝川:
うちは今、置いていないです。クーラーも使っていません。
がおりゅう:
他に青→黄色に変えた人?
あらかわ:
安い扇風機を買う人、高級扇風機を買う人はセグメントが違う。
両方は成立するけど、ブルーオーシャン的な考えだと全くライバルとならない。
マック食う人は高級料亭には行かないように。
がおりゅう:
視点が違う、という事ですね。
あらかわ:
ブックオフを作った坂本さん:高級なんだけと格安なお店(フレンチ:以下リンクを参照)。
マチコ先生:
この中で、高い扇風機(高額扇風機と呼ばれるもの)を持っている人?(→2〜3人が挙手, 検討中の人も4人程)
儲かる、数が売れるという話をしたけれど、儲かるかどうか、を再度問いたい。
がおりゅう:
『もうかる=Yes』『儲からない=No』でお願いします。(→それでも儲かる派がやや多かった)。
黄色から青の人に意見を聞きたいと思います。
ひろやん:
儲かるだったけど、構造的に難しい話ではないのではないか。
数は出るけど、もうからないという流れが来るのではないか。
山口:
儲かる、というのをどの期間で観るのが重要なのでは。
新規参入という視点で見た。今から高級製品は出せないなと。
高級感の付加価値が見いだせない。
あらかわ:
『儲かる』の軸を
・高級扇風機で儲かる
・格安扇風機でもうかる
の2択にするとわかりやすいのかも。
がおりゅう:
ここでちょっとタイム。
隣の人と、このテーマでディスカッションしてみてください。



(小休止:各自ペアでディスカッション中…)

がおりゅう:
(再開後)突然ですが、この話はそろそろ締めたいな、と。
共有した相手の話、『相手がこう言ってた』というのがあれば、聞かせてください。
アーモンド大佐:
あれ、割と盛り上がっていたのに…w
いわさき:
(意見としては)ずっと青でした。
売れると思っていたのは、値段ではなく、『節電』の部分で惹かれた。
そういう点で売れていくのかなと。
マチコ先生:
皆さん色々ディスカッションしていただいてよかったです。
ある程度、前提を決めてしまって、色々選択していただくと、イメージが膨らむのでは、活発に発言出来るのかなと。
ビジネスプラン等を考えつつ黄色で挙げてたりもしたけれど、
ビジネスに関心のある皆さんなので、もう少し議論が出来れば。


(補足:今回の話題について、こういうような記事の内容についても言及されていました。)

がおりゅう:
と言うことで、次のテーマに行きます。
タケハラ:
次のテーマ、行きますか。
次のテーマは...大きいですよ(笑)
2.アマゾンとアップル。どちらがより将来性があると思いますか?
がおりゅう:
正解は無いかもしれない、でも敢えて。
アマゾン:青、アップル:黄色で。
(アップルは少数派、アマゾンが多数。)
中込:
アップル派。時価総額記録更新したのもあるし、あとは私が好き。
iphone等の製品を観るにつけて、今後も驚かせてくれるんだろうな〜、と思う。
みんなが飽きない、という点。
高橋:
アップル派。将来性というより、今の視点で新しいものを出してくれるのでは。
ひろやん:
アマゾンはすごいと思う。アップルは将来性を考えた時にBMGキャンパスを書き換えている稀有な例。
あの規模でそれが出来たのはすごい。
あらかわ:
基本的にジョブスがいなくなったのは痛い。
いずもり:
アップルの強みはトレンドを抑えられるデザイン、あとはマーケット。
アマゾンのECは成熟している感がある。
アップルはトレンドで攻めていける。いつのまにかマーケット占めてるぞと。
アマゾンはアマゾンでクラウドが未知数。僅差でアップルに決めました。
AWSはプラットフォームがあるが、アップルのほうがマーケットに食らいついている感がある。
なかじま:
アップルは一回駄目になり、また蘇った。
正直ジョブスのおかげな気もするけど…また蘇られるんじゃないかと。
がおりゅう:
大多数(青:アマゾン)の人はどうでしょうか?
ケント:
アマゾン派:将来性を持続性?と考えた。将来性に丸を付けられなかった。
Amazonはすごい成功をすることはないけれども、すごい失敗もしないだろう。
(Appleはすごい失敗をする可能性があるので×)
せき:
今から15年まえ、PCなどがこんなに流行るとは思ってなかったはず。
みんなが身の回りで使っている環境は今後も変わっていくはず。
アップルは現状に対してヒットを飛ばしているけど、今後もそれは続くか?
アマゾンの方は生活用品、流通を担っている。生活必需品はそんなに変わらない。
流通面の問題を改善すれば、低コストで輸出入出来ると思う。
アマゾンが関税を握るなどして飛躍できるかも?
流通を握れるのはアマゾンなのでは。
いわお:
iphone等ハードウェアの移り変わりは激しい、今の力を維持するのは難しいのでは?
アマゾンは諸々の相乗効果的なところで強いのでは。
ケント:
15年後はみんな電脳化していてApple製品は使っていないかもしれないけど、
Amazonには(未来でも)電脳から発注していそうなイメージがある。
あらかわ:
アップルがこのまま行くのはヤバイ、のでは。
アマゾン:BtoB的なものはだいじょうぶ。BtoCはその点危険。
エジソンも豆電球発明当初はBtoCだったけど、次第にBtoBへシフトしている。
ジョブスが居ない、という状況での価値判断は難しいのでは。
アップルの今のトップは素晴らしいと思う。
出荷20日前に利益を出している。
普通はものをお客に届けてコストを回収。売れる前に回収しているビジネスモデルがある。
それはiPhoneに魅力があるから。それを続けられるのか?それは未知数。
高橋:
基盤をもってBtoBというのが手堅いのでは。
タケハラ:
さて、そろそろ締めたいと思います。この質問でラスト。
"今度の"クリスマス商戦、どっちが成功すると思いますか?(※アメリカで、という条件で)。青:アマゾン、黄:アップル。
(→圧倒的にアップル。満場一致。)
ありがとうございました。最後にマチコ先生、ひとことお願いします。
マチコ先生:
皆さんどうでしたか?楽しかったですか?
もっとこういうのを喋りたかった、期待していたというのがあればご意見をお聞かせください。次回の参考にしたいと思います。




いかがでしたでしょうか?『マチコ先生の〜』と言いつつも、マチコ先生が前面に出ていない形なのは『素振り』という面もあるので御容赦頂ければと思います。(^_^;) (XP祭り本編では、ちゃんとマチコ先生全面推しの方向で参ります。)


ご覧のように、今回は『全文まとめ』の形式を採っています。(全部書いたらまとめというのかどうかはさておき、可能な限り全文を記録するスタイルです)


今回のXP祭り2012で行うセッションは『リアルタイムであらゆる角度からディスカッションを記録し、参加した全員で、その場でコンテンツを作り上げていく』という試みを行います。


ファシリテーター御二方、がおりゅう(TwitterID:@DiscoveryCoach)さんと

アーモンド大佐(TwitterID:@crea_memo)の2トップファシリ&手書きメモ。


そして私の方でも、ディスカッション内容をリアルタイムで記録し、それをディスプレイに映し出して行く、という『まとめ実演』をその場で行う予定です。(※当日写真を撮れなかったのでまとめ内容の写真を一枚。そして意味無くモザイク)



今回は掲載しませんでしたが、ディスカッション終了後にも参加者の方々に多くのフィードバックを頂き、グループでもふりかえりや可能な限りの改善を重ねて当日を迎える予定です。


『なんだ、またいつものように後でブログ上がるんなら、当日は別のところに行くかな〜』と考えているそこのアナタ!いつものように構えていると、きっと後悔しますよ!(笑) 当日参加した人のみの特典も現在検討中です。


自分自身、まとめ作業をしながら進んでいくディスカッションの風景を目の当たりにして、とても得るものが多く有意義な時間を過ごすことが出来ました。メンバーが総力を挙げて盛り上げる『白熱風教室 in 早稲田大学』は、より白熱したディスカッションが期待出来ると思います。


セッション概要分をお読みになり、少しでもピンと来るものがあったならば、是非ともXP祭り2012当日は『白熱風教室』に足を運んでみてください。よろしくお願いします。