『第1回 ビギナー編 AWS User Group - Japan 東京勉強会』に参加してきた #jawsug


(写真:会場から程近い秋葉原駅から望む光景)

AWS(Amazon Web Service)については興味関心は有りながらもなかなか実際に環境に触れる機会が無く、また勉強会も告知即定員という大人気だったりします。今回は『ビギナー編』という事で敷居が下がりつつ、且つ参加枠に入ることが出来たので参加してきました。

会場は富士ソフト株式会社セミナールーム@秋葉原

写真では雲行き度合も相まって何か物凄いショットになってしまってますね…すんげ〜強そうなボスキャラが待ち構えてそう(笑)建物及び会場となったセミナールームは(写真でも一部みる事が出来るかと思いますが)超〜綺麗で整った施設でした。

はじめに

司会進行はこちらの@dz_さんが終始務められておりました。

  • 今回はビギナー編です。
  • 会場は通常版(のAWS勉強会)と同様。
  • 各テーマで30分ずつ、基本的な所を。
  • 最後に質疑応答コーナーを。通常版では中々時間が取れないのでお得です!

AWS概要

講演資料:

  • 自己紹介
    • 好きなサービス:新しいものなら何でも好きです!
    • 普段は講演したり、ブログを書いたり本を書いたりしています。
    • 週に2〜3回は出張に。
      • 『こうえん』のお話。(※こちら、定番のネタだったのですね…(笑))
  • AWSクラウドって何?
    • Amazonのビジネス。
    • 1995年からEコマースでweb上で本を売ることを始める
    • 最初は『上手く行くはず無い』→2000年代には世界中に広がる
Eコマース amazon.co.jp 一般消費者向け
マーケットプレイス物流サービス提供 Amazon Services セラー様向け
クラウドコンピューティング mazon web services 開発者、ITプロ様向け
  • 1800年代にビール工場で使われていた自家発電機を例に挙げ、クラウドの持つパラダイムシフトの可能性について解説。
    • いつでも、必要なだけ、安価に。
    • ビールを造るために自家発電していた→工場/送電線/発電所が整備される事で不要に。
    • コンピュータの世界でも同じ事が起きている。
      • これまでと同じようにサーバを運用してリソースを使う必要があるだろうか?
      • →個人的には5年掛からないはず。(パラダイムシフト) (by 玉川さん)
    • 定義が分かりずらい
      • 電気とかはワット数とかで判断しやすいけれど…クラウドは?
        • 2006年からAmazonが定義してきた。
        • 時間課金で、スペックに併せて請求する。
        • データの大きさ、置いた時間について課金。
        • 20種類以上の『電気』を定義している。
  • 仮想サーバ:Amazon EC2
    • Amazon Elastic Compute Cloud』の略。
    • 利用:Web上で本を買うのに近い。
      • 水道・電気を使うイメージで使える。
    • 作ったシステムをイメージとして取っておける。いつでも状態を復元可能。
    • (簡単なデモ実演)
      • サーバ立てる場所を選べる。
      • 自分の資産を一覧出来る。
      • OSイメージを選ぶ。
        • Windowsライセンスも。ライセンス料は時間課金の中に含まれている。
      • スペックを選ぶ。
        • 一番安いので1時間1.5円。
      • Launchボタンで作成完了。
      • すぐ出来た!
      • クラウドの強み:簡単に立ち上げられる。
        • スペックの切り替えも簡単に出来る。
    • 世界ランキングで42位に入るスパコンAmazon EC2上で稼働している!
      • ITのデモクラシーがすぐそこに。
    • 新しいテクノロジーを使いこなしている企業は沢山ある。
      • 金融サービス:夜は3000台、昼は300台@NY株式市場
      • WebサービスFacebookで公開、人気広がる→5000台サーバを調達。(僅か3日間で!)
        • ビジネスの継続性
          • 通常インフラであればサーバを調達出来ず継続出来なかったはず。
          • もし、5000台実機で買っていれば…
          • 撤退費用も全く掛からない。
      • AWSの中は完全自動化されているので、全てのサービスをAPIで運用=人手不要。
        • iPhoneで簡単に。(玉川さん、実際にiPhone経由で管理画面を操作してみせる)
        • データセンター作るのも簡単。
        • 極端な話、ラーメン屋でラーメン食べながらでも出来ちゃう。
    • EC2:2005年に出来た
      • AWSのサービス:CPU、ストレージ、ネットワークを提供
      • ロゴ注目:レゴに近いイメージ。
        • 従量課金で好きなモノだけ、迅速に。
  • AWSの4つの特徴
    • [実績]
      • AWS導入実績;
        • 190カ国以上、数十万のお客様。
      • 2011/03/03に東京にデータセンターをオープン
        • 高速なネットワーク(国内からミリ秒単位でアクセス可能)
    • [オープン性]
      • AWSは最も汎用性の高いクラウドの1つ。
        • フロントUI
        • 開発言語
        • ミドルウェア
          • AWSで動くかどうかが重要。
        • 主要な商用ソフトのライセンス持ち込みをサポート。
          • ラクル/MS/SAP/IBM/Adobe/RedHat
          • 場合によっては時間単位でライセンスを使う事も可能。
          • VMイメージをEC2に移行可能。
          • エクスポートも可能。
    • [価格]
      • 初期費用不要で低額なAWSクラウドの利用料金
      • Amazon S3は、データ保存の基盤
        • バケットを作る:データ置き放題、
          • 保存するデータは自動で暗号化する事も可能
          • 世界中の6拠点から選択
          • データ置くだけ、インフラ、電源、気にしない。
          • 高い耐久性:99.999999999%
          • 安価な従量課金:例10tb/月→約10万円
      • 過去4年間で15回の値下げ
        • バックアップで放り込む分には掛からない。
      • ロードバランサーや商用データベースも今すぐ時間課金で利用可能。
      • AWSクラウドにはセキュリティもついて来る。
        • 第3者認証も率先して取っている。継続的に監査を実施しつつ.
  • [スピード]
      • 社内システムにもクラウドを利用可能:Virtual Private Cloud
        • EC2内に分離した領域を作成
        • VPN接続で利用可能。
      • Virtual Private Cloudは仮想ネットワーキング。
        • ネットワーク構成を自由に作れるサービスに進化している。
      • AWSクラウド専用線接続を可能とする、Direct Connectも米国でサービス開始
        • (日本は年度内に計画)
      • 世界に広がるインフラストラクチャ

      • Amazonのエコシステム
      • AWSを使って
        • サービス作成/受託開発/Saas提供/マネージメントサービス/Webホスティング... 色々展開が可能。
      • クラウドでは出来ない』と勘違いされている点
        • SLAの提示(EC2の場合=稼働時間 99.95%)
      • 商用ソフトウェアをEC上で動作させる事も可能
      • 東京データセンターを含め、地域を指定可能
      • 等々。詳細は講演資料参照
      • AWSのメリット:現場編
        • 既存の知識、技術をそのまま生かせる
        • 試したい技術をすぐに試せる
        • 等々。インフラと言うよりソフトウェアに近い。
    • 『操船術が大事ぜよ!』/ クラウドを制したものが後世に名を残す。

S3解説


  • 自己紹介
  • そもそもStorageって?
    • パソコン
      • ハードディスクが内蔵されている
      • これもストレージ
    • USB
      • 手軽にデータを外に持ち出したい
      • これもストレージ
    • 外付けハードディスク
      • もっと大きなHDが欲しい
    • NAS・ファイルサーバ
      • これもストレージ
    • Amazon S3
      • インターネット越しのストレージ。
  • BucketとObject
    • バケット=ウインドウズで言う:ドライブ
      • 名前を付ける必要がある
    • オブジェクト=ファイル。
      • どんどん放り込んでいく。
    • ACLs
      • 誰に
      • READ
      • WRITE
      • READ_ACP(ACL自体を読む権限を付与出来る)
      • WRITE_ACP(ACL自体を書き換える権限を付与出来る)
      • FULL_CONTROL(何でも出来る)
  • ツールも色々利用可能。
    • Management Console(ブラウザからS3を使う)
    • SDK(プログラムからAmazon S3を使う):Java, PHP
    • 3rd Party
      • CyberDuck(FTPのクライアントソフト)
      • S3Sync(コマンドラインから使える):Rsyncと似たような、バックアップに最適なツール。
      • S3cmd:ファイル単位でUL/DL出来る。
      • S3Fox Organizer:Firefoxのアドオン。
  • Amazon S3をちょっと自慢。
    • 大容量
      • 1ファイルあたり1バイト〜5TB保存可能
      • ファイル数に制限無し
      • アマゾンインポート・エクスポートというサービスもある。
    • 高信頼
      • 99.999999999%の堅牢性(9が11個=イレブンナイン)
      • 99.99%の可用性
        • 1年のうちに1時間程度しか止まらないよ〜
    • 高い信頼性の秘密
      • 複数のデータセンターにまたがって複製
      • Reduced Redundancy Storage Option
        • 価格2/3で99.99%の堅牢性
    • 高いセキュリティ
      • AWSにもれなく付いてくるのはセキュリティ by @ar1
      • S3に入れたファイルを暗号化する事も可能
  • どんな用途で使おうか
    • 書庫のように
      • いつか使うかもしれないファイルの保存に
    • バックアップに
      • 無くしたくない大切な思い出を
    • ファイルの受け渡しに
      • S3にあるファイルをブラウザからダウンロードする
    • 最高傑作のお披露目だって
      • 自作映画の公開だって簡単に
    • CloudFront
      • コンテンツ配信が得意なS3の友達
    • Bittorentプロトコルインタフェース
    • ホームページの公開だって
      • サーバ入らずのホームページ作成
      • Webサイトホスティングという機能もある。

    • Dropboxも裏でS3を使ってる。
    • 気になるお値段
      • のお話をする前に…。
      • これ何のグラフ?
    • ハードディスクの値段(写真)
    • 値段は下がってきている。
    • Amazon S3の付加価値

EC2解説

講演資料:

まずはアイスブレイク。今回の講演に先立ち、ちょっとした動画を作られたという事で冒頭にその動画を流しました。内容はこちら。コマーシャル動画でした。(^.^ )

その他にもスマートフォンアプリを紹介。Facebookの友達一覧(誕生日でソート)的な内容だったような気が。

  • 自己紹介
  • 今日覚えて帰るキーワード一覧

  • Amazon EC2とは
    • すぐに始められる・止められる
    • Webコンソールから容易に医療可能
    • 必要に応じて仮想サーバ・タイプを変更
    • 高負荷なコンシューマ向けwebサイトから信頼性重視の業務向けアプリホスティングまで
    • 1時間約2円のお試しサーバから世界ランキング上位のスパコンまで
    • 1時間単位で利用可能
  • Amazon EC2の主要コンポーネント
    • Ec2インスタンス:データセンターに置いてある:AZ・リージョン
      • (各要素の紹介)
      • Windowsが立ち上げられる
      • AMI:Amazon Machine Image
      • 何十種類も用意されている。
      • セットアップ済みのものが各コミュニティから提供されている。
      • 独自作成したAMIを公開することも出来る。
  • EC2を使ってみよう
    • AWSアカウントの作成
    • Amazon Management Consoleにログイン
      • タブと役割の紹介
        • Elastic Beanstalk:(プラットフォーム)
        • S3:(永続化ストレージ
        • EC2:(仮想サーバ
        • VPC:(仮想ネットワーク)
        • Cloud Watch:(監視)
        • Map Reduce:(分散)
        • CloudFront:CDN(コンテンツ配信)
        • Cloud Formation:(自動化)
        • RDS:(データベース)
        • ElasticCache:(キャッシュ)
        • SQS:(キュー)
        • IAM:(認証)
        • SNS:(通知)
        • SES:(メール)
        • Route 53:(DNS)
      • ※非常に多くの機能を持っている。良くあるものは大体揃っている。Amazon独自のモノではなく、みんなが良く知っているものばかり。
    • リージョンを指定してインスタンスを起動
      • 東京を指定。ネットワークレイテンシが低い。
    • AMIの指定
      • テンプレートから選んで使う。
        • Instance Storeタイプ(仮想サーバ。止めると消える。安い。落とすとデータが消える。内部のディスクを使う。)
        • EBSタイプ(仮想ドライブを割り当てて使う。オプション指定でマシンを落としても仮想ドライブだけ残すことが可能。スナップショットを取れる。運用に向いている。)
      • Amazon LinuxもEBSタイプ。
    • インスタンスタイプとAZの指定
      • 実運用の場合はスモール以上の方がよい。
      • 実際の運用にあわせて選択。
      • まずは小さめを選び負荷計測
        • 結果に応じてサイズを変えていく等
      • インスタンスタイプ例
    • キーペア(公開鍵と秘密鍵)の作成
      • アクセスし指定する必要がある。
      • 自分で指定する事も可能。
    • セキュリティグループの作成/指定と設定
      • ポートとアドレスによるフィルタ
    • セキュリティグループ:
      • ファイアウォール
            • インスタンス毎にセキュリティグループの設定を行う事が出来る。
      • 必要なポートのみを必要に応じて空ける。
      • セキュリティグループ間での制御も可能
      • より堅牢な仕組みを作る事も出来る。
    • ターミネート、リブート、ストップ、スタート
    • EBSボリュームとスナップショット
      • ボリュームの追加
      • スナップショットとS3に保存出来る。
      • インスタンスにはEBSボリュームが付く。
      • 仮想ドライブを付けたり外したり出来る。
  • Webサーバを立てて公開する
    • インスタンスへの接続
    • AWS Management Console
      • 内容をコピペして貼り付ければ行ける。
      • 秘密鍵がある
      • Root権限が無く、EC2ユーザでのアクセスになる。
      • 殆どがsudoでの作業(詳細はスライド資料参照)
    • Webサーバのインストールと設定を行う
      • アップデートとWebサーバのインストール
      • OS起動時にWEBサーバを自動起動に設定
      • ロードバランサーの死活監視用に使うチェックファイルの作成
    • ブラウザーから動作確認
      • ファイル閲覧確認。
      • ロードバランサーの死活監視用に使うチェックファイルが見えるか確認
      • セキュリティグループの設定でHTTPポートが空けているため見える。
  • EC2は何がelasticなのか?
    • EBSボリュームのサイズを後から変更出来る点。
    • インスタンスのタイプを変更出来る。スケールアップダウンも可。
    • 固定IPを取得し割り振ることが出来る。特に申込も要らない。
    • ※諸々、後から変更出来る。

最後にロードバランサーの実演デモを実施。中々ロードバランサーによる切り替えの確認が出来ず仕舞いでしたが、諸々の作戦を駆使して最後にはめでたく効果を確認!大団円の拍手で講演を終えました。

質疑応答

最後に15分程度、講演者御三方を前にしての質疑応答タイムが設けられました。内容はつぶやきから拾ってみましたのでご参照ください。

こちらの質問された方々には、Amazon製の2012年卓上カレンダーがプレゼントされておりました。自分も欲しい!と思いましたがこれっていう質問を捻り出す事が出来ず、ゲットならず・・・。


Ustreamに関してはMATSUO Yasuhiro(TwitterID:@understeer)さんによる動画がUPされております。ありがとうございます!




タイトルに『ビギナー編』と謳っているだけあって、3講演全部がとても分かり易く、入門編の講演としてはとても有意義な時間となりました。AWSは無料分が使えるという事なのですがどの内容をどの程度まで・・・というのは個人的にも把握し切れていないので(&知らずにドエラい額を請求されるのも困るので)、紹介のあったスライド資料等を基に状況把握するところから進めて行こうかなと思った次第です。


本編(JAWS)の次回開催は2011/12/22(木)だそうです。こちらも相当な競争率になるのでしょうね…。ビギナー編の第2回はあるのかしら?あれば是非続けて参加したいですね。