『第27回すくすくスクラム 〜タスクカンバンはこれだ!〜』に参加してきた #suc3rum

個人的には7月開催時以来(2011/07/26:ファシリテーション入門)、約3ヶ月振りのすくすくスクラム。今回は『タスクカンバン』に関する講演&ワークショップの回でした。

開催場所はニフティ株式会社@大森。最近ではTDDBC1.6@東京、また少し遡るとShibuya.trac 第12回勉強会『〜 チケット管理システム大決戦 第二弾 〜』等でもお世話になった会場ですね。

では早速本編メモ。



各種解説

始めの挨拶もそこそこに、各参加者に任意の5つの日付に関するメモ(書き留め)が指示されました。このタイミングでは何に使うのか明からにされてませんでしたが、後々出番がやって来ます。

その後はスクラム各種テーマに関する解説及び説明。

  • ユーザーストーリー
    • お客さんと分かる言葉で、コミュニケーションするための共通言語。
    • 開発チーム/PO/ステークホルダー
    • 理想的な構成
<役割>として
<機能、性能>が欲しい、それは
<ビジネス価値>のためである。
  • プロダクトバックログ
    • 優先順位を付けるのがPOの役割。
    • リスト化
  • スプリントバックログ
    • 対象を決める
    • タスクに分割する
    • 2時間〜大きくて1日
    • 週の初めにやる
    • タスクカンバンに貼って消化していく
  • バーンダウンチャート
  • カンバン
    • 見せるために。
    • 見える化の説明(by平鍋さん作成の資料内画像)
最新の正の情報が、一箇所に、大きく書かれていて、
両チームのメンバー、審判、観客、が見ている。次の行動を誘発する。
(例:野球場のスコアボード)
  • 人に見せるよりも、自分に明確化する位置付けで今回は実施。
    • パーソナルカンバン

…とこちらで今回のワークショップで使う資料を作成。配布されたクリアファイルとストッパー(細長〜〜い紙留め具?名前が分からん)を使い、以下のボード(兼ファイル)を作成。

テープなどを切り貼りして形としては持ち運び可能な軽量タスクボードの完成。

予め用意されていたテープなどを用い、[TODO][DOING][DONE]の状態遷移の枠も実現。持ち運び可能なタスクカンバンの完成です。今回のワークショップはこのタスクカンバンに付箋でストーリー作成→タスク分割→タスク消化を行う、という形を取りました。


更には、ストーリーに関する説明も。

  • 良いストーリーの基準
  • 注意:多くの私見が含まれています。
  • INVESTの説明
  • ストーリーの考え方

ユーザーの視点

    • ビジネスの言葉で書きましょう
    • 価値を実現出来る=出荷可能なのか
    • 正直さ重要
  • おすすめ

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

  • タスクの説明
    • 来週1週間:来週火曜日までに仕事を達成する、という前提で。
    • ストーリーを書き出す(計3つ)
      • 仕事に関するもの。
      • 書き出したものを見積もる
      • ジャンケン?プランニングポーカー
    • 相対見積もり手法で見積もる。
  • 見積もりに関する説明
    • 見積もる:
      • タスクは理想時間で見積もる。
      • 理想時間での見積もりとは?
    • 理想時間と現実時間
      • 現実時間:カレンダー上で実際に掛かった時間
      • タスク:アカウント登録機能の実装
    • 理想時間と現実時間との差
      • お客様からの緊急の電話対応...など
    • 理想時間での見積もり
  • 見積もったストーリーをタスク分割してみよう
ワークショップ

ワークショップに関しては、おおよそ5分単位位で以下の作業を実施。(連続では無く、上記説明の流れで合間合間に)

  • (個人)仕事に関するタスクで、1週間位で消化出来そうなTODOをストーリーとして作成(×3つ)。
    • (個人)各自で想定されうるものを3つ、ストーリーとして書き出した。
  • (個人)ストーリーの中で一番小さそうなタスクを一定のポイントとして見積もり。(チームでは一番小さいと思われるものに2ポイントを割り振った)
    • (個人)それらに対して、残りの2つのポイントを見積もり。
  • (チーム)個人で見積もった各ストーリーに対して、見積もった当人以外が見積もりレビューを実施するなどして、ストーリーの見積もりポイントを確定
    • (個人)ストーリーをタスク分割。その際の基準は『理想時間見積もり』とした。適度なサイズに分割&時間を設定。
    • ※ここまでの内容は全て[TODO]欄に配置。
  • バーンダウンチャートの作成&消化
  • (個人)乱数表と冒頭で用意した『記念日』情報を用いて、1日に消化出来る時間数を取得。
  • (個人)消化出来た時間分、タスクを[DOING]→[DONE]に随時移動。
  • (個人)所要日程分、上記動作を繰り返しストーリー及びタスクが消化出来たかどうか確認。
ふりかえり

全ての作業終了後、チームで振り返り作業を行いつつ、内容を全チーム発表。カンバンに対しての肯定的な意見・否定的な意見それぞれが出ていたような気がします。

『タスク消化していく時点で新たにタスクが出て来て、どう対処すべきか悩んだ』というのがチームとして1つ、総意では挙がりました。

個人的には指定範囲内でタスクを消化しきれず、分割及びサイズの設定に問題があったかなという点も。

  • 時間見積もりで大きく時間数を見積もりすぎた
  • 消化出来ず仕舞い、と言うことはもっと細かくする必要があったのか?
  • そもそもそうなるとストーリーももっと小さく…見積もりポイントももっと小さくなるようなストーリー分割が必要だったかも?

といった思考の変遷があり、その辺は気付きだったような気がします。


また、ワークショップ全体に関して言うと、個人的にはタスクカンバンのワークショップに関してはチーム全体で作業を行うものを想定していたので、ほぼほぼ個人ワークとなってしまっていたのがちょっと予想外ではありました。

実作業は恐らくチームで共有したストーリー及びタスクを個人で分担して消化、その流れでのカンバン利用なイメージでしたので、『個人的な作業を個人で見積もり』→『チームでそれら個人成果物をレビュー』→『個人ベースでタスク消化作業実施』という流れもちょいと消化不良気味。

お話を伺う限りだと準備期間的に十分な時間が取れておらず本番一発!的な部分も多かった雰囲気でしたので(講演資料も各自分担されて作成されたようで、その影響で若干カオスな場面もあったり(笑))、やむを得なかった部分もあったのかも知れません。


冒頭で作成した携帯可能なタスクカンバン(これは素晴らしい発明ですね。)であったり、カンバンでのタスク消化作業を通して『タスク分割』→『ストーリー分割』→『ストーリー見積もり』と作業を遡り、経過及び内容を振り返る事が出来るのでワークショップの方向性自体としては非常に興味深いものでありました。今後のフィードバック&改善に是非とも期待したいところですね。:-)


関連Togetter:

関連レポートなど: