第4回WebUX研究会に参加してきた


最近勉強会に参戦するようになって耳にし始めたUXD(ユーザエクスペリエンスデザイン)のキーワードで探してみたところ、こちらの勉強会が展開されていたので今回参加してみました。


第一部「コミュニティーの学び」

・基調講演:「社会人の“学び”を促す“学び”のプロデュース術: AIITデザインプログラムの経験から」

途中紹介する『人間中心デザイン(履修証明プログラム対応)』を中心に『社会人の"学び"とは何か』について。

  • 履修証明プログラム『人間中心デザイン』コースの目的
    • 学歴にちゃんと書ける
    • 基礎編/デザイン編/応用編で分かれている
    • 有名な講師陣:諸々
    • 楽しいコミュニティでの学び(座学):2010年度の実績から、写真諸々で紹介
    • 恐ろしいコミュニティでの学び:頑張る→頑張った時の1杯
  • 社会人の"学び"とは何か?
    • 何を考えてこれらのプログラムを設計したか
    • 何を学べば良いか?
      • 多様性?
    • 3つのポイント
      • 1:企業実務を意識し、フレームワークとアプローチを組み合わせて提供する
      • 2:『アプローチ』の学びには"集団的省察(ふりかえり)を促す仕組みを提供する
      • 3:学びの成ちょうぷろせすを理解し、提供者が学習者と共に学び、集団的省察(ふりかえり)を促す
  • 企業での実務を意識した学びの提供
    • 学びのエンジン
      • やること(実践)
      • 振り返り(省察
    • フレームワーク…知識/概念/理論、自己探索的
    • アプローチ…方法論/手技法、集団協調的
    • ※これらを上手に組み合わせて利用
  • 社会人の理想的な学びのプロセス

    • 1.教育者が教える<教育者決定型学習>:提供者・教育者寄り
    • 2.学習者が主体的に学ぶ<自己(学習者)決定型学習>:社会人学習者寄り
    • 3.教育者・学習者が共に学ぶ<相互決定型学習>
  • 3までは行きたい。2から3は飲み会の力を借りる。
社内HCD勉強会の振り返り
  • 1.開催のきっかけ
    • Satoshi Asano (314satoshi)氏とのtwitterで実現
      • 個人では主催出来ないので会社を使おう
      • →『放課後X』の活動にしよう
      • →社内勉強会にして、HCDを広めよう
  • 2.内容
    • 興味のある人が気軽に参加できる企画を目指した(全6回)
      • 第1回:HCDの基礎・観察法
        • カップやきそばのパッケージを考える
        • HCDの考え方に興味を持った
      • 第2〜3回:ユーザ評価
        • ミニブログの改善案を考える
        • アクティビティシナリオの大切さ
        • NE比の説得力
      • 第4〜6回:ペルソナ・シナリオ法、ペーパープロトタイピング
        • UIを考える為にはシナリオが大事
        • プロトタイプで問題点が見えやすい
  • 3.成果
    • 全6回の3ヶ月後に実施
    • 勉強会参加者47名、回答40名
    • 約7割がリピーター
    • 幅広い職種が参加
    • HCDを実務で活用・・・半数以上。
    • ユーザビリティテスト・ユーザー視点
      • 意見
        • もう1度やりたい・実務で試したい。
        • 活用事例を知りたい、現場に広めたい
        • (意志はあるが実践に移せていない)
  • 4.まとめ
    • 成功したのか?
      • <HCDの認知度を上げる>:○
        • 告知や表彰で、HCDの認知度は広まった。
        • 募集範囲の約20%と多くは無いが、幅広い職種の方が参加してくれた
      • <開発に取り入れる>:△
        • 実務での取り組みはまだ少ない
        • 参加者の習熟度・現場理解が課題
  • 今後の展望
    • 活用事例をきょうゆうし、現場での取り組みを増やす
    • 成功事例が増えると・理解者も増える
    • 実践を積み重ね、自社にあったHCDのやりかたを見つける など。
他社との交流ShibuyaUX
  • GMOメディア 伊藤麻紀子氏

  • Webメディア企業による学びあいコミュニティ
  • 上司に『UXを取り入れるように』と言われて学ぶようになった
  • ずーっとモヤモヤ
  • 同じような悩みを抱えている
    • そもそもUXって?
    • UXのためにどんなことをしたらいい?
    • コストはどれくらい?
    • 成果はちゃんとでるのか、成果をはかれる?
  • 得られたこと
    • 1.井の中の蛙にならない
    • 2.成功体験、失敗体験の共有
    • 3.学び合う楽しさ
  • 最近はこんなことしています
    • サービスの理念を作る
    • アクセスログの活用
    • ユーザーアンケート
    • ペーパープロトタイプ
    • 社内ユーザビリティテスト
    • CRM強化
    • 簡易ペルソナストーリーボード
    • ユーザ調査
HCDを学ぶコミュニティ"hcdvalue"の価値
  • A.Hcdvalueの紹介
    • AIIT開催中
      • 企業にとってのhcdの価値をKA法で抽出するプロジェクト
    • AIIT終了後
      • 現場で使えるHCD コミュニティ
  • B.HCDvalueの目的
    • 現場で使えるHCD
    • 構成:47名
      • AIIT受講者+講師+新規(歓迎)
    • hcdvalue project
      • HCDの価値についてまとめたい(@chachaki)
      • AIIT講義の復習を兼ね、KA法を使い、価値抽出を行った
    • TOYOTA SOCIAL APP AWORDに参加
      • KA法
      • XB法
    • 活動:情報交換
      • Google Groups
      • イベントカレンダーの運営

    • どんなコミュニティか
      • 飲むのと勉強するのが大好き
    • 良いコミュニティであり続けるために
      • 1.共通の敵(講義の課題、理解の無い上司)
      • 2.共通のゴール(単位取得、職場での活躍)
      • 3.共通の楽しみ(一杯やる)
    • 商店街での草野球だろう
    • 言い換えると
      • 1.期近な行動目標がある(アウトプット期限)
      • 2.ゴールにヒットするか(仕事で結果出す、出せそうか?)
      • 3.快感がある(ウェルカムな雰囲気、乗り越えた先の楽しみがある)
    • 正統的周辺参加
      • (言葉の説明)
      • (HCDValueとの関連…)
      • 飲む事で学ぶ
        • ↑こういう場があることは大事
      • いい汗かいて一杯やる(これが9割)
  • C.HCDValueの価値
    • 正統的周辺参加に理想的な価値
    • ゆえにあらゆる人に開かれている、自分を受け容れてくれる感がある
    • HCDValue以外への広がりがある
    • 等々・・・
    • メンバーが熱い。
    • 飲めない人も大丈夫。
    • 続きはWebで。


ここで第1部終了。総括で以下のようなトークがなされてました。

  • webの世界はイニシャルコストが掛からないのでどんどん冒険出来る→勉強しやすい
  • セミナーの話を聞いてるんでなく自分の身体的な経験と関連させている(実践的、ワークショップ)
  • 技術ではなく、体で活動している
  • 動かした手に神は宿る
  • 記憶の現像所
    • 2人で映画見た→カフェで語り合う→記憶に焼きつく
    • 省察(ふりかえり)
    • 飲み会という場を使って、省察をしている
  • 懇親会は出てみた方が。
  • サードプレイスの学び
    • ファースト:家
    • セカンド:会社
    • サード:それ以外の社外、コミュニティ
  • 会社の中ではあまり勉強できない
    • 昔は上司が良く知っていた→今はそうではない、外に出ないとわからない

第二部「WebとUXデザイン」

UXデザインプロジェクトガイド
  • ネットイヤーグループ 坂本貴史氏
  • スライドにかっぱ寿司のCMをキャプチャ
    • ブランドという側面
    • 企業発信者にどういう情報を提供するか
    • 気付かすにはどうすれば良いか
    • 広告としてはどうなのか?
    • マーケティングツールとしては?

    • 10年間での情報量:532倍
    • 人間が取得出来る情報量:65倍

    • 情報量が多い社会で我々はどう対応するべきなのか
    • ユーザーインタフェース/UI
      • 利用目的によって大きく変わる

    • "ユーザーの行動の邪魔になりたくないんです"(Google Chrome Comics)
      • ユーザの目的、最終ゴールが何なのか
  • UXデザインとは
    • ユーザの知覚と振る舞いに影響を与える事を目的都市、特定の企業に対するユーザーの体験に影響する要素を創造し、シンクロさせること(UXデザインプロジェクトガイド)
    • なぜUXを学ぶのか?→直感力を養うため
    • A.最終インタフェース(最終的な画面を把握することで表現方法が分かる)
    • B.情報設計(画面の構成(エリアや要素)が分かる)
    • C.目的・ニーズ(設計の意図が分かる)
    • 本来はA→Cの順番。工程を遡る事で引き出し(仮説)を増やす
  • 手法:マインドマップ
    • 可視化されやすい領域…ビジュアルデザイン
    • 可視化されにくい領域…ワイヤーフレーム/サイトストラクチャ/ナビゲーション/ラベル/コンセプト
    • ユーザ調査・・した方がいい
      • 出来ない、認められない環境→価値を見いだす必要がある
    • ”対価にすること、タスク化すること”
      • ※価値があるか説明出来るようにしよう。
      • 事例を作らなくちゃいけない
      • 対価としてタスク化。タスクの可視化
    • プロジェクトのエコシステム
      • プロジェクトのニーズ、役割、文化を考慮
      • 自分の帽子(役割)を選ぶ
        • インフォメーションアーキテクト
        • インタラクションデザイナー
        • ユーザーリサーチャー
        • ※結局みんなやっている、海外では仕事にもなっている、日本ではごっちゃ
      • サイトの種類を特定する…目的はサイトの種類によって異なる
      • 企業の文化を理解する
        • 歴史:成功要因…過去に成功と考えられる事例はあるか、その原因は何かについてなど、これまでの経緯や成功要因などの把握
        • 階層:権力格差…クライアントの会社内での権力格差は、そのプロジェクトに影響を与えるという
        • 実務的な要素:締め切り日など
  • Point:
    • サイトの種類を特定する
    • 自分の帽子を選ぶ
    • 会社の文化を理解する
  • プロセス
    • ユーザーエクスペリエンス
    • プロセスには以下の工程がある。
      • 考える工程
      • 手を動かす工程
    • 考えるタスクをタスク化しよう
    • デザイン前には『定義』が必要
      • タスク・成果物=1:1ではなく、考えるプロセスとしてタスク化(やらなくちゃいけないこと)される
      • 対価にすること、タスク化すること

IAに関する書籍のご紹介。会場では来場者限定価格での

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

マルチデバイス時代のUX:
  • マルチデバイス時代のUX
    • ウェブと人との関係性,より自由に、どこででも
    • 〜2000年代 デバイスの時代
    • 2010年代〜:サービスの時代
  • マルチデバイス
    • プラットフォームが中心に
      • オープンから標準化
    • オープンアーキテクチャ:PCでのintel+MSモデル
      • 主役の交代:デバイスからサービスへ
    • ネットワークで1つに繋がる
    • バイス毎の特性(PC/モバイル、行動/タスク/UX)
      • 3年後の未来
        • モバイルがPCを抜く。
      • メディアへの接触時間
        • モバイルメディアへの重要度は年年高まっている
    • 個人デバイスの普及は進行中
    • 公共空間のIT化はこれから
    • OSがデバイスを繋ぐ
    • サービスxブラウザxOS、多様な組み合わせ
      • サービスの横断的展開
    • UXストーりーから設計まで
      • サービスのマルチデバイス対応
        • 設計対象
        • 利用シーン
        • 要件定義
    • 設計対象:ユーザーニースの把握
      • ペルソナを使う
        • ファクトの抽出
        • 統計的アプローチ
        • 探索的アプローチ

      • ファクトからシナリオ作成
        • アネクドット:抽出した事実のまとめ
        • シナリオ:こうあるべき、ものを含めた記述
  • 利用シーン
    • シナリオをどうやってUXに生かしていくのか。
      • 1.UIデザイン
        • ユーザの行動をブレイクダウン
        • 写真の共有…サービスシナリオ、アクティビティシナリオ
      • 2UXデザイン
        • シナリオを時系列的に組み立てる/網羅的に
        • ストーリーから個別の世界にブレイクダウン
        • スクフローを可視化(例:スターバックス)
        • ビジネスモデル(お金の流れ)を可視化(例:ピクト図解 Grow!)
        • コンセプトを俯瞰(例:flickr ユーザモデル)
      • 実務での課題
        • どうやって工数、予算を確保するのか
        • 既存のプロセスにいかにビルトインさせるのか
パネルディスカッション
  • パネラー:安藤先生・楽天脇阪さん・ネットイヤーグループ坂本さん・アクアリング平野さん

上記パネラー+会場の参加者を交えて、広いテーマでディスカッションを実施。今月末に別のイベントがあるようで、『そこで何を話すか』を決めるといった体のトークとなりました。内容的に諸々飛躍していたり、メモを取り切れていないのでこの部分については割愛。



今回の勉強会(研究会)については、より現場(UXを用いる、UXメインの話)に即した話が多かったので、現在そういう場所に居ない・経験を積んでいない自分には少し距離があったかも。とはいえ、ユーザエクスペリエンスについてはより理解を深め、開発・設計と絡めて行きたいと思いました。実際にユーザ交えて…ってのは職場では叶えられそうも無いので、やるなら自社の人たちを巻き込むか、自分で仮想シチュエーションを組んでより実践的な方法を探るかしてみるかな。