『CLASSMETHOD 春の集中講座vol.3』に参加してきた


(写真:飯田橋駅近辺)


先日のVol.2に引き続き、この日も参加。

今回Vol.3のテーマは『クラウドデファクトになる日 RIA+AWSによる業務アプリ採用ケースと可能性〜 』。


「ご挨拶」

AWS、RIAといったキーワードな訳ですが、今回はちょっとしたトラブルが。同日に第8回 AWS User Group - Japan 東京勉強会が被るという状況が後に判明し、さながらこちらのイベントは『JAWSUGの裏番組』の様相を呈する事に。その分『表』では聞けないような話も聞くことが出来たりしました。

セッションで発表をされた大谷晋平氏(TwitterID:shot6)も、JAWSUGとのハシゴ状態だったようです…^^;

実際にAWSを仕事で使用している人、アカウントまで作った人まで含めると4〜5人は居た模様。自分は完全初心者であり、アカウントも未作成の状態です。


デファクトとしてのAWS

AWSの始まり
  • 何でこんなにソフトウェアを作るのに時間が掛かるのか?
  • スケーラブルで洗練されたアプリの開発をもっと簡単に、もっと早く
  • クラウドかどうかすらAWSには関係ない
    • webサービスをもっと早くするために生まれた
    • 2006年ローンチ
    • インターネットOS
    • SOAによるサービスデザイン
AWSが使われる理由
  • なぜか
    • 時代が求めている
      • 低レイヤのコモディティ化
      • 集約化/ビジネスの価値は上位レイヤを如何に早く開発するか、へ。
    • DCはコモディティハードウェア
    • クラウドは運用あってこそ。運用の実績は大事。
      • S3:2006/03/14
      • EC2:2006/08/24
    • クラウドは大規模な単位で初めてIT業界に敷居を作った
      • 規模の経済
      • ユーザになるには非常に楽、構築する側になるのは非常に厳しい
    • AWSプラットフォーム
      • お客様のアプリケーション
      • ライブラリ&SDK、Webインターフェース、IDEプラグイン、デプロイ&自動化
      • 認証&請求、モニタリング、オートスケール、ネットワークルーティング
      • 分散処理、決済、コンテンツ配信、ワークフォース、メッセージ、Eメール
      • コンピュータ処理、ストレージ、データベース
      • AWSのグローバルなインフラ拠点
    • AWSの進化スピード
      • amazon.comが5年目当時の…
      • 昨日追加は日々行い、進化し続けている
      • サービスはどれもやめてない
    • 東京リージョン
      • 3月から開始、マルチAZ、世界で5番目
      • 英語圏以外で初
      • AWSにとって大きなチャレンジ
      • 真のグローバル企業への転換
AWS最大の敵は何か
  • FUD
    • Fear(不安)
    • Uncertainty(不確実)
    • Doubt(不信)
  • セキュリティ
    • 認定・認証
      • ISO、SAS70、PCI/DSS
      • 物理セキュリティ
      • 論理セキュリティ
      • 責任共有モデル(100%安心ですか?Noと言わざるを得ない)
        • ハイパーバイザレベル以下はAWS
        • OS以上はお客様
  • はっきり言っていいですか
    • AWSのセキュリティのほうが、殆どのプライベートクラウドのセキュリティよりも高い
      • 認定・認証
      • 物理・論理セキュリティ
      • 運用レベル・グローバルな資格準拠
      • セキュリティグループ・ポリシーベース設定、IAM
    • 今までAWS上で1つもセキュリティを破られていない
      • 第3者機関でのセキュリティ監査も通っている
    • 敷居が高いのは人の心理的障壁のみ
AWSを使うためのベストプラクティス
  • 既存をそのまま持ってきても動く。ただし、うまく動かすにはコツがいる
  • 1.Design for failure and nothing fails
    • 単一障害点(SPOF)をさけること
    • 障害にシッカリ備える、復旧までの時間を短くする
      • S3によるスナップショット、バックアップ
      • EBSによるデータの永続化
      • マルチAZ
      • ElasticIP,Route53によるAZ切替
      • モニタリング、モニタリング、モニタリング・・・
  • ※ここが出来ていると、大体落ちない。
  • 2.Loose coupling sets you free
  • 疎結合が非常に重要
    • システム個々の独立性を高める
  • SOAアプローチ
  • キューで状態を通知、DBやS3で状態を維持
  • 3.Implement "elasticity"
    • 伸縮性
      • システムをビジネスの規模に柔軟にあわせる/システム拡張のタイムスパンを10分の1にする
    • ロードバランサー
      • きちんとしたプランニング
      • autoScaling/自前でのスケーリング
    • SpotInstance
  • 4.Build Security is every layer
    • セキュリティグループの活用
      • レイヤ設計
        • 基本セキュリティグループ/サーバのロール毎/各種アプリケーション固有事情の考慮
      • フラットなセキュリティポリシに慣れる
    • IDS等の導入
    • データの暗号化
    • MFAの有効活用
  • 5.Don't fear Constraints
    • 制約を受け容れて上手く活用する
      • インスタンスをリカバーするではなく、入れ替える
      • ディスクでは無く、メモリを有効活用
      • 内部DNSを建てる
        • プライベートIP・名前解決と上手く付き合う
      • スケールアウト、スケールアップをドンドン行う
  • 6.Think Parallel
    • 並行性がある処理を並行性を維持する
      • 今まで並行処理→逐次処理にしてませんか?
      • スケールアウト出来るようにする
    • EMR
    • ELB/AutoScaling
    • SQS
    • Ec2を大量に並べて処理をすぐ終わらせる
  • 7.Leverage different storage options
    • 選択肢があることが大事
      • 正解はいつも1つじゃない/ユーザが自分のユースケースに合わせて使う
    • AWSが提供するストレージ/データベース
Iaas/Paas/Saas, NISTの定義
  • おおまかなグルーピングのため、大した意味は無い
    • 顧客のビジネスにどう貢献するコンポーネントなのかが最も重要
    • 競合がその分野でどうかも関係ない
Beyond EC2, Beyond Cloud
  • Beyond EC2
    • 仮想サーバを越えたところに大きな付加価値
      • コスト削減だけではない
      • 新しいアプリケーションを創出するエンジニアを助ける
      • 既存とクラウドの連携、クラウドクラウドの連携
    • RDS/EMR/SimpleDB/SQS
  • Beyond Cloud
    • 本来は
      • クラウドベンダはあくまで黒子
      • クラウドはビジネスモデルの変化
        • ロングテール
        • 利用料・重量課金制度
        • よりユーザがフレキシブルにシステムを変える権利を持つ
      • アプリケーションが価値を生む
        • ビジネスとしての価値/社会に対する貢献
      • インフラはコモディティ
        • 仮想サーバ、仮想ネットワーク、DC
      • 開発・運用の一体化
      • 分業制の終焉と多能工の重要性
    • アプリケ−ションの開発も大きく変わる
      • ベンダロックインの境界線の扱い
        • AWSはオープン戦略。データをロックしない
      • 品質向上にクラウドは非常に有効
        • テスト、k開発、アイデアをすぐさま試す場。スピード重要
      • 物理制約を超えた発想でアプリケーションを作る
      • ジャイアントキリング
まとめ
  • AWSデファクトかどうかはわからない
    • 人によってとらえかたが違う
  • クラウドの大きな流れをとらえるのが重要
    • 何故AWSなのかなぜくらうどなのか
    • インフラのコモディティ化
      • サーバ、ネットワーク,DCそのもの
    • 経済原理
      • より抽象化した形で価値を出せるか
    • Beyond EC2, Beyond Clond




RIAハブによるフルリプレイスの可能性

こちらのセッションに関しては、事前につぶやき禁止令が出ましたのでブログエントリも割愛致します。

可能な範囲で超〜ざっくりまとめると、

  • 中小規模業務アプリ構築に於いては、AWS構築に関して問題は殆ど起きない
  • 何かあった時の為にプレミアムサポート推奨
  • RIAの業務システムでの利用については基幹業務での採用も広まってきている。スマートフォン向けの業務システム等も
  • AWSを使ってみよう
    • 既存アプリ開発ノウハウをフルに活用可能
    • Tokyoリージョンにより国内利用が加速!
    • AWSについては進化スピードがあまりに早いので、ブログや記事の情報はすぐ陳腐化する事に注意。
  • これからのデファクトはRIA+AWS

といった辺りでしょうか。

福田さんによるAWS関連おススメの書籍・情報は以下。

クラウド大全 第2版

クラウド大全 第2版

AmazonCloudテクニカルガイド ―EC2/S3からVPCまで徹底解析―

AmazonCloudテクニカルガイド ―EC2/S3からVPCまで徹底解析―

書籍はもう1冊位言及されていたような気もしたけど…自分もこの前買ったこれだったかな?違ってたらすいません…。

Amazon Web Services ガイドブック クラウドでWebサービスを作ろう!

Amazon Web Services ガイドブック クラウドでWebサービスを作ろう!

ビアバッシュ形式でQ&A

  • 恋のから騒ぎ』スタイルのQ&Aコーナー。超ぶっちゃけた質問やAWSを使うにあたってクラスメソッドさんでの現場に於いての対処方法・経験談、またDR(災害復旧)についても3.11以降意識が変わった点についてトークが展開されていました。


トータル3日間で行われたクラスメソッド株式会社さんの『春の集中講座』、2日目、3日目と参加した事になりますが、両日とも各分野の踏み込んだ内容・実践的な経験談等が聞けたので満足でした。また今後も同様のイベントが開催される際にはチェックしておきたいと思います。